敏感肌・アトピー肌のためのナイトブラ選び|肌に優しい天然素材と縫製の見極め方

ナイトブラの不安解消ガイド

ナイトブラ、バストケアのために着けたほうが良いって聞くし、本当はすごく気になってる。

そう思ってはいるんですけど、「私、肌が弱いから…」っていう、たった一つの、でもとてつもなく高い壁のせいで、一歩踏み出せないでいませんか。

「どうせ私にはムリかも…」

「せっかく高いお金を出して、またかゆくなったり、赤くなったりしたらどうしよう」

そんな不安が先に立っちゃって、結局「着けない」という選択をしてしまったり、買っては失敗してタンスの肥やしを増やしてしまったり。

私も肌が弱いほうなので、その気持ち、痛いほどわかります。

でも、もしかしたら、それは「選び方」のポイントを、ほんのちょっとだけ知らなかっただけかもしれません。

ここでは、「コットンならOK」みたいな単純な話じゃなく、私たち敏感肌・アトピー肌さんが本当にチェックすべき「素材」の裏側、「縫製」の罠、そして「機能」とのバランスを、徹底的に深掘りしていきます。

これ以上、ナイトブラ選びで失敗したくない!

そんなあなたのための、「自分に合う一枚」を見つけるヒントが、きっとあるはずです。

敏感肌・アトピー肌さんがナイトブラ選びで失敗しがちな理由

敏感肌やアトピー肌の体質だと、ナイトブラ選びって本当に難しいですよね。

「肌に優しい」「敏感肌用」って書かれたものを選んだはずなのに、いざ着けて寝てみると、夜中にムズムズ…。

朝起きたらアンダーバストが赤くなっていたり、かゆくて掻いてしまったり。

そんな経験、一度や二度じゃないという方も多いんじゃないでしょうか。

私自身、肌が弱くて、これまでたくさんのナイトブラ選びに失敗してきました。

「もう自分に合うものなんてないのかも…」と諦めかけたこともあります。

でも、どうして「肌に優しい」はずのナイトブラで、肌トラブルが起きてしまうんでしょうか。

ここでは、私たちがつい陥りがちな「ナイトブラ選びの失敗パターン」を、まずは一緒に振り返ってみたいと思います。

原因がわかれば、次の一枚はきっと見つけやすくなるはずです。

「とりあえず綿(コットン)なら安心」という思い込みの罠

「肌が弱いなら、まずは綿(コットン)素材でしょ」。

これは、もう常識みたいになっていますよね。

もちろん、コットンは肌触りが良くて刺激が少ない、素晴らしい天然素材です。

でも、「コットン100%」と書かれているから大丈夫、と思い込むのは、実はちょっと危険な「罠」でもあるんですよ。

まず、ナイトブラにはバストを支えるための「伸縮性」が絶対に必要です。

そのため、コットン100%と書かれていても、アンダーのゴム部分や、生地自体に「ポリウレタン(スパンデックス)」などの化学繊維が数パーセント含まれていることがほとんど。

この化学繊維が肌に合わない、という可能性もありますし、生地の表面はコットンでも、肌に触れる裏側(縫い目など)が化学繊維、というケースもゼロではありません。

それに、コットン素材の「質感」も人によって合う・合わないがあります。

ふわふわの柔らかいコットンなら良いですが、Tシャツのような少しハリのあるコットンだと、その「ゴワつき」が肌への摩擦になることも。

そして、意外と見落とせないのが「汗」の問題です。

コットンは吸湿性に優れていますが、その分「乾きにくい」というデメリットも持っています。

寝ている間にかく汗を吸ったまま、湿った状態が続くと、それがかえって肌を冷やし、かゆみや「あせも」のようなトラブルを引き起こす原因になるとも言われています。

「コットンなら安心」と素材名だけで判断してしまうと、こういった他の大切なポイントを見落としてしまうかもしれませんね。

締め付けによる「かゆみ」「赤み」「かぶれ」の悪循環

ナイトブラ選びで、素材と同じくらい…いや、もしかしたらそれ以上に悩ましいのが「締め付け」の問題です。

バストを支えるためには、ある程度のフィット感、ホールド力が必要。

でも、そのフィット感が、敏感肌にとっては「圧迫」や「摩擦」という強烈な刺激になってしまうんですよね。

特にトラブルが出やすいのが、アンダーバストの部分。

ここにしっかりしたゴムが入っていると、寝ている間もずっーと肌が圧迫され続けます。

さらに、アンダーバストは汗が溜まりやすい場所でもあります。

汗でふやけた肌が、ゴムでこすれて圧迫される…。

想像しただけで、かゆくなってきませんか。

朝起きたらゴムの跡がくっきり赤くなっていたり、ひどい時にはミミズ腫れのようになってしまったり。

一度かゆみが出てしまうと、もう最悪です。

日中も気になって掻いてしまい、肌のバリア機能がますます低下して、さらに敏感になる。

そして、夜にまたナイトブラを着けると、昨日よりひどいかゆみに襲われる…

この「かゆみの悪循環」にハマってしまうと、もうそのナイトブラを着けるのは不可能になってしまいます。

「ホールド力」と「肌への優しさ」のバランスが、本当に難しいところです。

意外と見落としている「縫い目」や「洗濯タグ」の刺激

生地の素材はバッチリ確認した。

締め付け感も、ゆるすぎずキツすぎず、良さそうなものを選んだ。

「今度こそ大丈夫!」と思って着けてみたら…あれ、なんだか脇の下がチクチクする。

背中の一部が、ピンポイントでかゆい。

そんな経験、ありませんか。

そのチクチク・かゆみの原因、もしかしたら「洗濯タグ」や「縫い目」かもしれません。

素材(生地)という「面」ばかりに気を取られていると、こういった「点」の刺激を見落としがちなんです。

特に洗濯タグは、硬い素材のものが脇や背中といった柔らかい皮膚に当たると、かなりの刺激になります。

「じゃあ、切っちゃえばいいじゃん」と思いますよね。

でも、タグを切った後の、あの「根本の硬い部分」!

あれがまた、切る前よりも凶悪なチクチクモンスターになることがあるんですよ…。

縫い目(シーム)も同じです。

生地と生地をつなぎ合わせる部分が、ゴロゴロと盛り上がっていたり、硬い糸で縫製されていたりすると、それが寝返りをうつたびに肌をこすります。

可愛いレースや装飾も、その端っこが肌に当たってかゆみの原因になることもあります。

生地そのものに問題がなくても、こういう細かい部分の配慮がされていないと、敏感肌には大きなストレスになってしまうんです。

肌への優しさを優先したら「ホールド力」が足りなかった失敗談

「もう締め付けも摩擦もイヤ!」

「とにかく肌にストレスがないものがいい!」

そう思って、今度は肌当たりを最優先して、ゆるゆるでふわふわなナイトブラを選んだとします。

確かに、着けた瞬間はノーストレス。

かゆみも赤みも出ないし、快適です。

…でも、朝起きたら、ナイトブラが胸の上までズレ上がっていたらどうでしょう。

あるいは、バストが左右にすっかり流れてしまって、ナイトブラがただの「布」になっていたら。

これは、ナイトブラ選びの「逆の失敗パターン」ですね。

私たちは、何のためにナイトブラを着けるんでしたっけ。

そう、寝ている間のバストを重力から守って、優しくサポートするためですよね。

肌に優しくても、その「サポート力」「ホールド力」がゼロだったら、それはもうナイトブラとは呼べないかもしれません。

ただでさえ、敏感肌というハンデがあるのに、その上で「ナイトブラとしての機能」も求めないといけない。

「肌への優しさ」と「機能性」。

この二つを両立させるのが、私たちのナイトブラ選びが難しい、最大の理由なんだと思います。

肌に優しい「だけ」では、ダメなんですよね。

肌トラブルが気になってナイトブラ習慣が続かない

こうした失敗を、一度や二度ならず、何度も繰り返していると、どうなるでしょうか。

「どうせ、新しく買ってもまたかゆくなるんじゃないか」

「高いお金を出して、また使えなかったらどうしよう」

そんな不安が先に立って、新しい一枚に挑戦するのが怖くなってしまいます。

せっかく「今度こそ!」と思って試してみても、やっぱり数日で肌に合わないことがわかって、タンスの肥やしが増えていく。

ナイトブラって、本当は毎日コツコツ続けることに意味があると言われています。

でも、肌トラブルのせいで、着けたり着けなかったり。

「今日は肌の調子がいいから着けようかな」

「昨日の夜、ちょっと赤くなったから今日はやめておこう」

そんなふうに、ナイトブラを着けること自体がストレスになってしまうんです。

そして最後には、「もう、私に合うナイトブラなんて探すのムリかも」と、諦めモードになってしまう。

バストケアもしたいのに、肌が弱くて続けられない…。

このジレンマこそが、敏感肌・アトピー肌さんが抱える、一番つらい悩みなのかもしれません。

でも、諦めるのはまだ早いです。

次の章からは、こうした失敗を踏まえて、じゃあ私たちは何を基準に選べばいいのか、その具体的なポイントを見ていきましょう。

敏感肌の救世主!ナイトブラで最優先すべき「素材」の選び方

前の章で「コットンなら絶対安心、というわけでもない」というお話をしました。

じゃあ素材は気にしなくていいのかというと、もちろんそんなことはありません。

むしろ、敏感肌・アトピー肌さんにとって、肌に一番長く触れる「素材」が、ナイトブラ選びの最重要項目であることは間違いないです。

肌トラブルの主な原因は、「摩擦」「蒸れ」「圧迫」の3つだと言われています。

素材の特性をしっかり知っておけば、これらの刺激リスクをぐっと減らすことができるはずです。

ここでは、なぜ天然素材が良いと言われるのか、そしてメタキーワードでもある「コットン」と「シルク」について、それぞれのメリット、そしてデメリットも正直に深掘りしていきたいと思います。

素材の「クセ」を知れば、自分に合うものが見えてくるはずですよ。

なぜ天然素材(コットン・シルク)が良いと言われるのか?

「肌に優しい=天然素材」って、なんとなくイメージでわかりますけど、具体的に「なぜ」なんでしょうか。

一般的にそう言われる一番大きな理由は、天然素材が持つ「吸湿性(きゅうしつせい)」と「通気性」に優れている点にあるようです。

私たちは寝ている間に、思っている以上にたくさんの汗(コップ1杯分とも言われますよね)をかいています。

敏感肌・アトピー肌にとって、この「汗による蒸れ」は、かゆみや「あせも」を引き起こす大きな原因になってしまいます。

コットンやシルクといった天然素材は、この寝汗を「しっかり吸い取って」、なおかつ「服の外に湿気を逃がしてくれる」という、まるで呼吸するような性質を持っていると言われているんです。

肌と服の間の環境(湿度や温度)を快適に保ってくれる力が、化学繊維よりも優れている傾向にある。

だから「肌に優しい」と言われるんですね。

化学繊維(ポリエステル、ナイロン)が肌に合わない理由

一方で、化学繊維であるポリエステルやナイロンが、なぜ肌に合わないと感じる人がいるんでしょうか。

もちろん、化学繊維のすべてが悪いわけではありません。

スポーツウェアに使われるように、丈夫で、汗をかいてもすぐ乾く「速乾性」は素晴らしいメリットです。

ただ、この「速乾性」が、敏感肌にとっては裏目に出ることもあるようです。

化学繊維の中には「吸湿性」が低い、つまり水分をあまり「吸わない」性質のものがあります。

汗を吸わずに弾いてしまって、結果的に汗が肌の表面に残り、蒸れてかぶれやすくなる…と感じる人もいるようです。

また、逆に肌の水分まで奪ってしまって、肌がカサカサに乾燥してしまう、という声も聞かれますね。

もう一つ、一般的に言われるのが「静電気」の問題です。

化学繊維は、天然素材に比べて静電気を帯びやすいとされています。

ただでさえ乾燥してバリア機能が落ちている敏感肌に、あの「パチパチ」「チクチク」とした静電気の刺激が加わると…。

それがかゆみの引き金になってしまう、というのも、十分あり得る話だと思います。

天然素材が持つ「吸湿性」と「通気性」のメリット

話を天然素材に戻しましょう。

天然素材が持つ「吸湿性」と「通気性」は、敏感肌にとって本当に大きなメリットです。

「吸湿性」というのは、汗や湿気を「繊維の内部に」しっかり吸い込む力のことです。

汗をかいても、その水分が肌の表面にベタベタと残りにくいんですね。

そして「通気性(あるいは放湿性)」は、その吸い込んだ湿気を、今度は繊維の外に「吐き出す」力のこと。

ずっと湿ったままにならない、ということです。

肌が「蒸れる」という状態は、肌のバリア機能を弱らせ、雑菌が繁殖しやすい環境を作ってしまうと言われています。

かゆみや「あせも」などのトラブルは、大体この「蒸れ」が関係していることが多いんですよね。

天然素材は、この「蒸れ」という最大の敵から肌を守り、快適な状態をキープするのを助けてくれる。

人間の肌の仕組みと相性が良い素材なんだと、私は解釈しています。

メタキーワード深掘り:「コットン(綿)」素材の特徴と注意点

さて、ここからは具体的な素材を深掘りしていきます。

まずは、天然素材の王様、「コットン(綿)」です。

Tシャツや肌着、タオルなど、私たちの生活に一番身近な素材ですよね。

その「触り慣れた安心感」は、何物にも代えがたいメリットだと思います。

コットンの一番の魅力は、なんといってもその「優しい肌触り」と「吸湿性の高さ」。

汗をしっかり吸い取ってくれる感覚は、やっぱりコットンならでは。

ですが、いいことばかりじゃありません。

導入の章でも少し触れましたが、コットンには「乾きにくい」という、はっきりとしたデメリットがあるんです。

吸湿性は高いけれど、「速乾性」はない。

この「乾きにくさ」が、時として私たち敏感肌の敵にもなることを知っておく必要があります。

オーガニックコットンと普通のコットンの違い

コットンの中でも、最近は「オーガニックコットン」という言葉を本当によく見かけます。

普通のコットンと、何がどう違うんでしょうか。

すごくざっくり言うと、オーガニックコットンというのは、「農薬や化学肥料に頼らず、自然の力で育てられた綿花」のことです。

一般的には、「3年以上、農薬や化学肥料を使っていない農地」で、「認証機関の基準に従って」栽培されたものだけが、オーガニックコットンと名乗れるようです。

栽培や収穫、製品になるまでの過程で、できるだけ化学的な薬品(除草剤、殺虫剤、枯葉剤など)を使わないように配慮されています。

肌への刺激となりうる、そうした化学物質が製品に残留するリスクが少ない、と考えられているんですね。

だからこそ、赤ちゃんの肌着や、私たち敏感肌・アトピー肌さん向けの製品に好んで使われているんです。

もちろん、オーガニックだから絶対に肌トラブルが起きない、という保証はありません。

コットンという素材そのものが肌に合わない、という可能性もゼロではないですからね。

それでも、肌への刺激リスクを「限りなくゼロに近づけたい」と願う私たちにとって、とても心強い選択肢の一つであることは間違いないと思います。

コットンのメリット(肌触り・耐久性)とデメリット(乾きにくさ)

オーガニックコットンの話も含めて、改めて「コットン」という素材のメリットとデメリットを整理しておきましょう。

メリットは、もう皆さんご存知の通りです。

・柔らかく、ふんわりとした優しい肌触り。

・汗や水分をしっかり吸い取る、高い吸湿性。

・熱に強く、比較的丈夫。シルクなどに比べると、洗濯などの取り扱いが(まだ)楽。

一方、デメリットとして強く意識しておきたいのが、これです。

・「速乾性」はないため、乾きが遅い。

これがどういう問題を引き起こすかというと、「汗冷え」です。

例えば、夏場の寝苦しい夜にたくさん汗をかいたとします。

コットンはその汗を全部吸い取りますが、乾くのが遅いので、生地はずっと「湿ったまま」。

その湿ったナイトブラが肌に張り付いた状態でエアコンの風にあたると、体が一気に冷えてしまう。

また、湿った状態が長く続くと、雑菌が繁殖しやすくなるとも言われています。

これが、かゆみや「あせも」の原因になることも…。

コットンは万能選手に見えますが、「汗っかきさん」や「夏場」は、この「乾きにくさ」に少し注意が必要かもしれませんね。

深掘り:「シルク(絹)」素材の特徴と注意点

続いては、もう一つの代表的な天然素材、「シルク(絹)」です。

お蚕さん(カイコ)の繭から作られる繊維で、あの独特の光沢と滑らかさが特徴ですよね。

昔から「高級素材」の代名詞で、デリケートなイメージが強いと思います。

シルクの最大のメリットは、一般的に「人間の肌(皮膚)に最も近い」と言われるタンパク質(アミノ酸)で構成されている点にあるようです。

だから、肌との親和性がすごく高くて、肌に「違和感」を与えにくい、とされています。

そして、何よりあの「スベスベ、ツルツル」の肌触り!

肌への「摩擦刺激」が、他のどの繊維よりも少ないと言われています。

こすれる刺激に弱いアトピー肌さんにとっては、まさに救世主のような素材かもしれません。

でも…。やっぱり、デメリットも強烈です。

そう、「価格」と「お手入れの手間」ですね。

シルクのメリット(肌への摩擦の少なさ・保湿性)とデメリット(価格・洗濯の手間)

シルクのメリットとデメリットも、しっかり整理しておきましょう。

メリットは、本当に魅力的です。

・肌との摩擦が極めて少ない、滑らかな肌触り。

・人間の肌に近い成分(タンパク質)でできており、肌なじみが良いとされる。

・吸湿性、放湿性(湿気を吸って吐き出す力)は、コットンの1.5倍とも言われるほど高い。

・その結果、「夏は涼しく、冬は暖かい」という、理想的な着心地を保ってくれると言われています。

・保湿性も高く、肌の乾燥を防ぐとも言われていますね。

一方のデメリットは、これです。

・高価。ナイトブラ1枚に1万円以上、というのも珍しくありません。

・とにかくデリケート。洗濯機で洗うのは基本的にNG(ネットに入れて手洗いコースも、本当は非推奨)。

・「中性洗剤」で「手洗い(押し洗い)」が基本です。

・摩擦に非常に弱く、ゴシゴシこすると毛羽立ったり、生地が傷んだりします。

・日光(紫外線)に弱く、直射日光に当てて干すと、すぐに黄ばんで劣化してしまいます。

毎日使うナイトブラで、この「お手入れの手間」を続けられるかどうか。

「洗濯が面倒で、結局着なくなっちゃった」というのが、シルク製品の最大の「あるある」失敗談だと思います。

そのコストと手間をかけても、あの肌触りを手に入れたいか。そこが悩みどころですね。

「綿100%」「シルク100%」にこだわりすぎない方が良い理由

ここまで「コットン」と「シルク」の魅力をお伝えしてきましたが、じゃあ「綿100%」か「シルク100%」のナイトブラを選べば間違いないのか?

というと、実はそう単純でもないんです。

これがナイトブラ選びの本当に難しいところなんですが…。

思い出してください、ナイトブラには何が必要でしたっけ。

そう、「バストを支える」ための「伸縮性(フィット感)」と「ホールド力」ですよね。

もし、生地が「綿100%」や「シルク100%」だったらどうなるでしょう。

Tシャツやハンカチを思い浮かべてください。

あれ、横に引っ張っても、ビヨーンとは伸びませんよね(伸びるTシャツは、大抵ポリウレタンが数%入っています)。

つまり、伸縮性がないんです。

伸縮性のない布で、どうやって立体的なバストを、優しく包み込んで支えることができるでしょうか。

…かなり、難しいですよね。

だから、私たちが「ナイトブラ」として使うためには、どうしても「ポリウレタン(スパンデックス)」のような、伸縮性を持たせるための化学繊維を数パーセント混ぜる必要があるんです。

「綿95%、ポリウレタン5%」とか、「シルク92%、ポリウレタン8%」とか。

この数パーセントの化学繊維を「悪」と決めつけないでほしいんです。

「100%」という言葉の響きにこだわりすぎて、ナイトブラ本来の機能性を失ってしまっては、本末転倒ですからね。

肌に触れる「裏地」だけでも天然素材かチェックしよう

「とはいえ、やっぱり化学繊維が肌に触れるのは不安…」

「伸縮性は欲しい。でも、肌触りは天然素材じゃなきゃイヤ!」

わかります、その気持ち、痛いほどわかります。

そんな私たちが、現実的に落とし所を見つけるための、一番重要なチェックポイントがこれです。

「肌に触れる“裏地”だけでも、天然素材になっているか?」

ナイトブラの「外側」は、デザイン性や耐久性、伸縮性のためにナイロンやポリエステルが使われていたとしても、

「肌が直接触れる“内側(肌側)”」に、コットンやシルクの生地を当てている製品が、実はたくさんあるんです。

特にチェックしてほしいのが、

・バスト全体を包む、カップの裏側

・汗が一番溜まりやすい、アンダーバストの肌側部分

この2点が、コットンやシルクになっていれば、化学繊維による刺激リスクを、肌感覚としてはほぼゼロに近いくらい減らせるはずです。

これぞまさに、敏感肌の私たちのための「いいとこ取り」な設計だと思いませんか。

お店やネットで素材表記を見るときは、タグに書いてある「全体の混率」だけをボーッと見ないでください。

「肌側:綿100%」とか「裏地:シルク100%」といった、小さな、しかし超重要な記述がないか、目を皿のようにして探してみてくださいね。

チクチク・ゴワゴワを回避!肌に優しい「縫製・構造」の見極め方

前の章では、肌に触れる「素材(生地)」という「面」のお話をしてきました。

「よし、これで完璧!」と思いきや、素材はコットンなのに、なぜかかゆい、チクチクする…。

そんな悲しい経験、ありませんか。

そのチクチク・ゴワゴワの犯人、実は「生地」以外のところに潜んでいることがほとんどなんです。

ズバリ、その正体は「洗濯タグ」「縫い目」「金具」!

肌に当たる「点」や「線」の刺激ですね。

ここでは、生地そのものと同じくらい、いや、人によってはそれ以上に重要な「縫製」や「構造」のチェックポイントを、徹底的に洗い出していきましょう。

ここを見極められるようになれば、ナイトブラ選びの失敗は、本当に劇的に減るはずですよ。

最重要チェックポイント!「洗濯タグ」はどこにあるか

まず、声を大にして言いたい。

「洗濯タグ、お前はどこにいるんだ!」と。

あの脇腹や背中のあたりに、主張の激しい、ペラペラで妙に硬い「洗濯表示タグ」。

これが、どれだけ私たちの安らかな眠りを妨害してきたことか…。

もう、敏感肌の私たちにとって、これは「異物」でしかありません。

かゆいから、イライラしてハサミで切ってみる。

するとどうでしょう。

今度は、あの憎き「切り残し」が、さらに硬く鋭利な凶器となって肌に突き刺さる…!

こんな悪夢、もう見たくないですよね。

だから、ナイトブラを手に取ったら、まず第一に「洗濯タグが、どこに、どうやって付いているか」を最優先で確認するクセをつけてください。

これは本当に、本当に大事なことです。

肌に当たらない「外側タグ」や「印字(プリント)タイプ」が理想

じゃあ、どうなっていたら「当たり」なんでしょうか。

答えはすごくシンプルで、「肌に当たらなければ、それでいい」んです。

一番の理想、まさに「神」仕様なのが、洗濯表示が生地に直接「印字(プリント)」されているタイプです。

タグそのものが物理的に存在しないので、チクチクする原因もゼロ。

もう、これを見つけたら「ありがとう!」と叫びたいくらいですね。

次に素晴らしいのが、タグが服の「外側」についているタイプ。

デザインの一部として、外側にピラッとついているものですね。

これなら肌には絶対に触れませんから、機能的には完璧です。

もし内側についていたとしても、諦めるのはまだ早いです。

タグの縫い付け部分が、普通の縫製と違って、ミシン目が荒く、手で簡単に(そしてキレイに)切り離せるように工夫されている製品もあります。

こういう「肌に当てない」ための工夫がされているかどうか。

ここに、そのメーカーさんの「敏感肌への本気度」が透けて見える気がしませんか。

「縫い目(シーム)」が肌に与える影響と確認方法

タグの脅威をクリアしたら、次なる強敵「縫い目(シーム)」のチェックです。

ナイトブラって、立体的なバストを支えるために、いろんなパーツの生地をつなぎ合わせて作られていますよね。

その「つなぎ目」が、どう処理されているか、です。

特にチェックしたいのは、脇の下、アンダーバスト、肩紐の付け根あたり。

この「縫い目」が、ゴロゴロと盛り上がっていたり、硬いナイロン糸などで縫われていたりすると…。

寝ている間に私たちがうつ、わずかな寝返り。

そのたびに、この硬い「線」が肌の上を往復することになります。

生地(面)がいくら優しいコットンでも、この「線」がヤスリみたいだったら、肌が赤くなったり、ミミズ腫れになったりするのは当然ですよね。

買う前に、ナイトブラを必ず裏返してみてください。

そして、この「縫い目の処理」が雑になっていないか、指でなぞって確認してみてください。

肌は、私たちが思うよりずっと正直で、繊細なんです。

縫い目がフラット、または肌に当たらない「シームレス」仕様

では、理想的な「縫い目」とはどんなものでしょうか。

一つは、「フラットシーマ」と呼ばれるような、特殊なミシンで縫われた、縫い目の盛り上がりがほとんどない平らな縫製です。

生地と生地が、まるでパズルのように組み合わさっていて、凹凸がありません。

あるいは、発想の転換で、縫い代(ぬしろ=縫い目の裏側の余った布)が肌に当たらないよう、あえて「外側」に出す「袋縫い」のような工夫がされているものもあります。

そして、最近の技術の進化はすごいですよね。

「シームレス」仕様といって、もはや糸で「縫う」のではなく、熱や圧力で「接着(ボンディング)」して生地同士をくっつけているタイプも増えました。

これなら、糸による縫い目の凹凸は文字通り「ゼロ」。

肌当たりは最高に滑らかです。

ただ、これは私の個人的な懸念ですが、その「接着剤」が肌に合わない、という可能性もゼロではないかも…?

あと、洗濯を繰り返すうちに、接着部分が剥がれてこないかな?という耐久性の不安は、正直ちょっとありますね。

生地の「端処理」は切りっぱなし(フリーカット)が良い?

「縫い目」と関連して、もう一つチェックしたいのが「生地の端っこ」の処理です。

アンダーバストや脇、肩口の部分を思い出してください。

よくあるのが、生地の端を隠すために、別のゴム素材で「縁取り(パイピング)」しているタイプ。

この「縁取りゴム」が、またクセモノなんですよ。

締め付けがキツかったり、ゴムそのものの素材が肌に合わなかったり…。

そこで、私が最近「これだ!」と思っているのが、「フリーカット(切りっぱなし)」と呼ばれる技術です。

これは、特殊な生地(ほつれないように作られています)の端を、あえて「縫わず」「ゴムもつけず」、ハサミで切ったそのままの状態で仕上げる技術。

つまり、端を処理するための「糸」も「ゴム」も「折り返しの厚み」も、一切存在しないんです。

肌への刺激になる要素が、極限まで削ぎ落とされている。

着け心地は、まるで自分の皮膚がもう一枚増えたみたいにフラットで、締め付け感からも解放されます。

この「切りっぱなし」仕様は、敏感肌さんには一度試してみてほしいですね。

ホックやアジャスター(金具)は必要か?金属アレルギーの注意点

さあ、素材(面)、タグ(点)、縫い目(線)とクリアしてきました。

まだ、いましたね。ラスボス級の強敵が。

そう、「金具」です。

背中で留めるための「ホック」や、肩紐の長さを調節する「アジャスター」。

もしこれが金属製だったら…。

汗っかきさんや、金属アレルギー体質の方は、要注意です。

汗と金属が反応して、接触皮膚炎(いわゆる金属アレルギー)を引き起こし、かゆみや赤み、かぶれの原因になる可能性があります。

アレルギー体質じゃなかったとしても、想像してみてください。

寝ている時、仰向けになった自分の背中に、あの硬い「ホック」の塊がずっと当たっているんですよ。

痛いし、気になって安眠できませんよね。

そもそも、バストを「寄せて上げる」日中のブラと違って、ナイトブラにそこまでカッチリした金具って、本当に必要なのでしょうか。

ノンホック・アジャスターなしタイプを選ぶメリット

もう、結論から言っちゃいましょう。

私たち敏感肌・アトピー肌さんには、「金具ゼロ」が最強です。

具体的には、

・背中にホックがなく、Tシャツのようにかぶって着る「ノンホック」タイプ。

・肩紐の長さを調節する「アジャスター」もない、シンプルなデザイン。

これです。

金具が物理的に一切なければ、金属アレルギーを心配する必要も、金具が肌にゴリゴリ当たって痛い・かゆいというストレスも、すべて「ゼロ」になります。</

「えー、でもアジャスターがないと、サイズが合うか不安…」

わかります、その気持ち。

でも最近は、生地自体の伸縮性や、アンダー部分の編み方の工夫(幅広のニットになっているとか)で、アジャスターがなくても幅広い体型に優しくフィットしてくれるナイトブラがたくさん出ているんですよ。

食わず嫌いをせず、一度「金具ゼロ」の快適さを体験してみる価値は、絶対にあると思います。

もし金具がある場合のチェックポイント

「それでも、やっぱりホックでアンダーを調節したい」

「アジャスターがないと、肩紐がゆるゆるでダメなんです」

という方も、もちろんいらっしゃいますよね。

その場合は、その「金具」が、肌に「直接」触れないように工夫されているかを、よーくチェックしてください。

例えば、アジャスターが、金属製ではなく「プラスチック製」になっていれば、金属アレルギーの心配は(ひとまず)なくなります。

背中のホックも、その「裏側(肌側)」を見てください。

金具がむき出しになっていませんか?

金具が肌に当たらないように、分厚い「当て布(あてぬの)」が、金具よりもしっかり広く縫い付けられていますか?

あるいは、金具自体が、肌に優しい樹脂などで「コーティング」されている、なんていう親切な製品もあります。

100%金具を避けるのが難しくても、こういう「ワンクッション」の配慮があるかどうかで、肌への負担は天と地ほど変わってきますからね。

レースや装飾は避けるべき?デザインと刺激の境界線

ふう、長くなってきました。最後は「デザイン」の問題です。

わかりますよ、ナイトブラだって、どうせなら可愛いものが着たいですよね。

総レースだったり、胸元にちょっとリボンがついていたりすると、それだけで気分が上がります。

でも、でもですね…。

その「レース」こそが、敏感肌の私たちにとっては、一番の「罠」かもしれないんです。

お店で触った時は「わあ、柔らかいソフトレース!」と思っても、いざ着けて寝てみると、そのレースの「端っこ(縁取りの糸)」や、生地との「縫い合わせ部分」が、硬くてチクチクする…。

こういう経験、本当に「あるある」じゃないですか。

胸元の小さなリボンの「結び目」が、寝ている間に肌に当たって、朝起きたらそこだけ赤くなっていたり。

肌の調子が良い時はなんともなくても、ちょっと乾燥したり、体調が悪かったりして肌が敏感になっている時は、こういう本当に「ささいな」装飾が、かゆみの引き金(トリガー)になるんです。

デザインの可愛さも大事ですが、まずは「何もない、シンプルなもの」から試すのが、失敗しない近道かもしれません。

カップやパッドの素材も見落とさないで

あ!ごめんなさい、もう一つだけ、忘れてはいけない超重要なポイントがありました。

見落としがちなんですけど、あの「取り外し可能なカップ(パッド)」のことです。

ナイトブラ本体(肌側)は、せっかくこだわって「コットン100%」を選んだのに…。

パッドを入れる「パッドポケット(内側の袋布)」や、その「パッド」自体が、通気性の悪いポリエステルや、ウレタン素材むき出し、なんてことはありませんか?

バストって、結構汗をかく部分です。

特にバストトップやその周辺は、この「パッド」によって密閉されがち。

ここの通気性が悪いと、汗が蒸れて、かゆみの原因になることが本当に多いんです。

理想を言えば、この「パッドポケット」の生地も、本体と同じくコットンやシルクでできていること。

それが無理でも、せめてパッド自体が、通気性を良くするために「メッシュ素材」になっていたり、「穴あきウレタン(パンチング加工)」になっていたりするものが望ましいですね。

本体の素材(外側)だけでなく、肌側の素材(内側)、そして「中身(パッド)」と「内袋(パッドポケット)」の素材まで。

ここまでチェックできたら、もうあなたはナイトブラ選びの「上級者」です!

「肌に優しい」だけじゃない!ナイトブラ本来の機能と快適性のバランス

さて、ここまでの章で「素材(面)」と「縫製(点・線)」という、肌への「刺激」を減らすための、いわば「守り」の視点をじっくり見てきました。

「これだけチェックすれば、もう大丈夫そう!」

と、思いたいところなんですが…。

ちょっと思い出してください。

一番最初の章で話した、「肌への優しさを優先したら、ゆるゆるでホールド力ゼロだった」という、あの悲しい失敗談を。

そうなんです、ナイトブラって、肌に優しければそれでOK!というわけじゃないんですよね。

私たちには「バストを優しく支える」という、ナイトブラ本来の「機能」も必要なわけです。

この最終章では、肌への優しさを大前提としながら、どうやって「快適なホールド力」や「機能性」を見つけていくか、その「攻め」と「守り」のバランスについて考えていきたいと思います。

「肌に優しくて、ちゃんと仕事もしてくれる」。

そんな賢い一枚を見つけるための、最後の詰めです。

敏感肌でも安心できる「ホールド力」の見つけ方

私たち敏感肌・アトピー肌さんにとって、「ホールド力」という言葉は、ちょっとした恐怖ワードじゃないですか。

「ホールド力」=「締め付け」=「かゆみ」=「赤み」。

もう、脳内でこの恐怖の連想ゲームが始まって、「ホールド力なんて、いりません!」と叫びたくなってしまいます。

でも、諦めるのはまだ早いんです。

私たちに必要なのは、アンダーバストに食い込むような、細いゴムで「力任せに締め付ける」ホールド力ではありません。

そうじゃなくて、生地自体の「しなやかな伸縮性」や、バストの形に合わせて作られた「立体的な構造」で、バスト全体を優しく「包み込んで、定位置で支える」ホールド力。

この「締め付け」と「包み込む支え」は、似ているようで、まったくの別物です。

この違いをしっかり見極めることが、何より重要なんですね。

締め付けない「立体構造」や「ノンワイヤー」の仕組み

じゃあ、「包み込む支え」って、どうやって実現されているんでしょうか。

ワイヤーもきついゴムも使わずに、どうやってバストを支えるのか。

その秘密は、「立体構造(あるいは立体設計)」にあります。

例えば、バストの丸い形を潰さないように、胸の部分の生地が「お椀型」にあらかじめ設計されている。

寝ている時にバストが脇に流れていかないように、脇の下(サイド)の部分だけ、生地が二重になっていたり、編み方を変えて少し強くなっていたりする。

一番かゆみが出やすいアンダーバストの部分も、細いゴムが「線」で当たるんじゃなくて、幅の広い「面」で、優しく体に沿うように支える設計になっている。

こういう、無理な力(締め付け)に頼るのではなく、「構造」や「設計」の工夫でバストを支えようとしてくれるナイトブラ。

こういうタイプこそ、肌に優しいホールド感を求めている私たちの、本当の味方になってくれるはずです。

弱すぎず強すぎず、適切な「伸縮性」の重要性

「立体構造」と二人三脚で大事なのが、生地自体の「伸縮性」です。

素材の章で「綿100%は伸縮性がない」という話をしましたよね。

ナイトブラには、「ポリウレタン」などの伸縮素材が不可欠なんです。

ただ、この伸縮性の「さじ加減」が、本当に命。

伸縮性が弱すぎれば、ゆるゆるで、寝ている間にズレ上がってきて、何の支えにもなりません。

かといって、伸縮性が強すぎれば(例えば、日中に着る補正下着のように)、それはもう「締め付け」以外の何物でもなく、私たちにとっては拷問です。

この「ちょうどいい」伸縮性を見極めるのは、正直、数値や見た目では分かりにくい…。

一つの目安として、「着圧」や「補正」「強力サポート」といった言葉をウリにしているものは、いったん避けた方が無難かもしれません。

それよりも、「リラックス」や「おやすみ用」「しなやかなフィット感」と書かれていて、かつ、生地がタテヨコナナメに「しなやかーに伸びる」もの。

そういうものが、私たちには合っているんだと思います。

汗をかいても快適!「吸湿速乾性」と「通気性」

肌への「機能性」という面で、もう一つ絶対に避けて通れないのが「汗」の問題です。

素材の章で、「コットンのデメリットは乾きにくいこと」だとお伝えしました。

寝ている間にかく大量の汗。

これが「蒸れ」となって、かゆみや「あせも」の最大の原因になるんですよね。

どんなに肌触りが優しい素材(コットンやシルク)でも、汗でビショビショになって、湿ったまま肌に張り付いていたら…。

肌に良いわけが、ありません。

理想は、「吸湿性」(汗をしっかり吸う力)と、「速乾性」(吸った汗を素早く乾かす力)の両立です。

コットンの「乾きにくさ」という弱点を、何か別の要素で補ってくれているか、という視点ですね。

例えば、肌側はコットンだけど、パッドが通気性の良い「メッシュ」や「穴あきウレタン」になっている。

あるいは、コットンと速乾性のある化学繊維を、うまく混紡(こんぼう=混ぜて糸にすること)して、お互いの「いいとこ取り」をしている生地もあります。

「蒸れない」ための工夫がされているかどうかも、肌に優しい機能性の大事なポイントです。

フィット感が最重要!試着できない時の「サイズ選び」

さあ、これが本当に、本当に、最後の砦です。

素材は完璧。縫製も神。構造も優しい。

そんな「理想の一枚」を見つけたとします。

でも、もし「サイズ」が合っていなかったら…?

これまでのすべての努力は、無残にも水の泡と化します。

サイズが小さすぎれば、どんなに優しい素材も「凶器(締め付け)」になります。

サイズが大きすぎれば、どんなに素晴らしい構造も機能せず、「ホールド力ゼロ」のただの布になります。

ナイトブラって、下着売り場で気軽に「ちょっと試着いいですか?」と言いにくいですし、ネット通販が主流だったりして、試着のハードルがすごく高いですよね。

だからこそ、買う前の「採寸」と「サイズ表の確認」が、他の何よりも重要なんです。

「私、いつもMサイズだから」

「たぶんLでしょ」

この「勘」で買うのが、失敗への最短ルートだと、私は断言します!

アンダーとトップの正しい測り方

「えー、今さら自分のサイズ測るの、面倒くさい…」

わかります、わかりますよ。

でも、その一瞬の「面倒くさい」を乗り越えるだけで、未来の「かゆみ」や「無駄遣い」を防げると思ったら、やるしかなくないですか。

メジャーを用意して、深呼吸して、測りましょう。

測る場所は「トップバスト(胸の一番高いところ)」と「アンダーバスト(胸のすぐ下のふくらみがないところ)」。

ポイントは、メジャーが床と「水平」になっているか、鏡で横からチェックすること。

そして、メジャーが肌に「食い込まない」程度、かといって「ゆるすぎない」程度に、優しく当てること。

できれば、生理前などバストが張りやすい時期は避けたほうが、より正確なサイズがわかると言われています。

この「素のサイズ」をまず知ること。

そして、買おうとしている商品の「サイズ表」と、自分の採寸結果を、穴が開くほど見比べること。

S/M/Lというざっくりした表記だけでなく、「アンダー70〜75cm、トップ80〜85cm」といった、具体的な数値で判断することが、本当に大事なんです。

サイズ交換保証サービスの活用

「…とはいえ、サイズ表通りに買っても、なんかしっくりこない時って、あるよね」

はい、あります!

バストの形は人それぞれですし、アンダーはMだけどトップはL、みたいな「サイズ表泣かせ」の体型の方もいます(私もです)。

ネット通販で、試着もせずに買うのは、やっぱり怖い。

そんな私たちの不安を解消してくれる、素晴らしいサービスがあります。

それが、「サイズ交換保証」サービスです。

最近は、「商品到着後○日以内なら、試着後でもサイズ交換OK(しかも、返送の送料もメーカーさん持ち!)」という、まるで神様のようなメーカーさんが増えています。

特に、肌への優しさを本気で考えてくれているメーカーさんほど、この「サイズが合わないと意味がない」ことを理解していて、サービスが手厚い印象がありますね。

初めて買うブランドで不安な時は、この「交換保証」があるかどうかを、購入の決め手の一つにする。

これは、失敗のリスクを最小限にする、すごく賢い方法だと思います。

買った後も大切!肌に優しく「長持ちさせる」洗濯方法

おめでとうございます!

素材、縫製、機能、サイズ…すべての難関をくぐり抜け、あなたはついに「運命の一枚」と出会うことができました。

…で、その大切なナイトブラ、どうやって洗濯していますか?

まさか、靴下やタオルと一緒に、洗濯機に放り込んで「通常コース」でガンガン回したりしていませんよね…?

間違った洗濯は、せっかくの優しい素材を「ゴワゴワ」の「チクチク」に変えてしまうだけでなく、ナイトブラの命である「伸縮性(=機能)」を、あっという間に破壊してしまいます。

「肌への優しさ」と「機能」の両方を長持ちさせるため、最後の最後に、洗濯のお話もさせてください。

手洗いか洗濯機か?素材に合わせたケア

まず、素材の章でもお伝えした「シルク(絹)」。

これは、もう議論の余地はありません。

「中性洗剤(おしゃれ着用洗剤)」を使って、絶対に「手洗い(優しく押し洗い)」してください。

洗濯機に入れた瞬間に、そのナイトブラの命は終わったと思ってください…。

「コットン」や「化学繊維」のものは、洗濯表示(あの憎きタグ、あるいは印字)を見て、「洗濯機OK」のマークがあれば、洗濯機でも大丈夫です。

ただし、その場合も「常識」として、必ず「洗濯ネット」に「裏返して」入れてください。

ブラジャー専用の、形のしっかりしたネットが理想ですね。

他の洗濯物と絡まって、生地がビロビロに伸びたり、摩擦で毛玉だらけになったりするのを防ぐためです。

もちろん、コットンであっても、一番長持ちさせる方法は「手洗い」であることは、言うまでもありません。

洗剤の選び方(低刺激・無香料)

そして、私たち敏感肌・アトピー肌さんにとって、洗濯ネットと同じくらい、いや、それ以上に大事なのが「洗剤」です。

考えてみてください。

ナイトブラを洗う、その「洗剤」自体が、肌への刺激物だったら?

もう、元も子もありませんよね。

汚れを落とす力が強力な洗剤や、白さを際立たせる「蛍光増白剤」、あるいは「漂白剤」、そして「強い香料」が入っているものは、肌への刺激になる可能性があるため、避けたほうが無難かもしれません。

おすすめは、やはり「赤ちゃん用」や「敏感肌用」をうたった、低刺激・無香料の洗濯洗剤(あるいは石けん)です。

そして、一番、一番大事なのは、「すすぎ」を徹底的にすること。

繊維の中に、目に見えない「洗剤」が残ってしまうこと(=残留洗剤)。

これが、かゆみや「かぶれ」の直接的な原因になっているケースは、本当に多いと言われています。

最近流行りの「すすぎ1回でOK」の洗剤でも、肌が弱い私たちは、あえて「2回すすぐ」。

あるいは、洗濯機の「注水すすぎ(シャワーすすぎ)」のコースを選ぶ。

この「洗い」より「すすぎ」を重視する一手間が、肌トラブルを防ぐ最後の砦になってくれるはずです。

【まとめ】敏感肌・アトピー肌さんが自分に合うナイトブラを見つけるために

敏感肌・アトピー肌さんのナイトブラ選び、本当に大変ですよね。

ここまで、たくさんのチェックポイントを一緒に見てきました。

「コットンなら安心」という単純な話ではなく、「縫い目」「タグ」「金具」といった構造的な刺激、そして「締め付け」と「ゆるさ」のバランス…。

これらすべてが、私たちの快適な眠りを左右する重要な要素だということが、お分かりいただけたかと思います。

正直、チェック項目が多すぎて「あーもう、面倒くさい!」ってなっちゃうかもしれません。

でも、この「面倒くさい」を一つ一つクリアしていくことが、「買って失敗した…」をなくす一番の近道なんだと思います。

素材(面)、縫製(点・線)、機能(バランス)、そしてサイズ。

この4つの視点をしっかり持って、ご自身の肌とじっくり相談しながら、最適な一枚を見つけることが大切です。

【参考】人気ナイトブラの「肌への配慮」をチェック

「理屈はわかったけど、じゃあ実際、みんなどんなのを使ってるの?」

「人気のナイトブラって、結局、敏感肌的にどうなの?」

って、気になりますよね。

ここでは、あくまで「参考情報」として、世の中でよく名前を聞くナイトブラや、特定の特徴を持つナイトブラが、私たちが気にしてきた「肌への配慮」という観点で、どんなメリットと注意点がありそうか、一緒にチェックしてみたいと思います。

これが「おすすめ」というわけじゃありません。

ご自身の「肌の優先順位」と照らし合わせるための「判断材料」として、見てみてくださいね。

SNSでも話題の「ヴィアージュ(VIAGE)」のチェックポイント

まず、SNSやネット広告などで、本当によく見かける「ヴィアージュナイトブラ」。

使っている人が多い、という意味では、ダントツの人気かもしれません。

このヴィアージュを、私たちの「敏感肌・アトピー肌」フィルターを通してチェックしてみましょう。

まず、最大の、本当に最大のメリットだと私が思うのが、「洗濯表示タグ」です。

ヴィアージュは、あの憎きチクチクの「洗濯タグ」が縫い付けられておらず、生地に直接「印字(プリント)」されています!

これは、もう、敏感肌のことを考えてくれているとしか思えません。

「タグのチクチク」が一番のストレスだった、という人にとっては、これだけでも試してみる価値があるかもしれませんね。

構造も、金具のない「ノンホック」「ノンワイヤー」のかぶり式で、シンプルな作りです。

素材については、本体の生地は「ナイロン、ポリウレタン」です。

ここは、人によって好みが分かれるところですね。

化学繊維の「ツルッ」とした肌触りが好きな人もいれば、ちょっと肌に合わない…と感じる人もいるかもしれません。

ただ、肌への配慮として、バストトップが触れる「パッド(カップ)」、あるいはその「パッドを入れる袋布(肌側)」は「コットン100%」で作られています。

本体は伸縮性や耐久性のあるナイロンだけど、一番デリケートな部分はコットンで守る、という「いいとこ取り」の設計思想なんだと思います。

注意点としては、その「ナイロン、ポリウレタン」の本体生地が、ご自身の肌に合うかどうか。

そして、人気の理由でもある「ホールド力(フィット感)」が、ご自身の肌にとって「快適なサポート」と感じるか、それとも「ちょっと強めの圧(締め付け)」と感じるか。

特に汗をかきやすいアンダーバストのゴム部分の感触は、見極めが必要ですね。

「タグの刺激は絶対にイヤ!」という人には、有力な候補になりそうです。

天然素材(コットン・シルク)に特化したナイトブラの特徴

ヴィアージュとは対照的に、「いやいや、私は本体生地(肌側)が化学繊維なのは、ちょっと…」と思う方も、もちろんいますよね。

そういう方は、やはり「天然素材」に振り切ったナイトブラを探すことになります。

最近は、本体生地の「肌側」だけでなく、生地そのものの混率が「オーガニックコットン95%」とか「シルク90%」といった、天然素材の割合が非常に高い製品も増えてきました。

こういう製品のメリットは、言うまでもなく「肌触り」です。

化学繊維による刺激リスクを、最小限まで減らすことができます。

素材にここまでこだわる製品は、往々にして「縫製」にもこだわっていることが多いのも特徴です。

縫い目を「フラットシーマ」にしていたり、縫い代が肌に当たらないよう工夫されていたり。

もちろん「洗濯タグ」も、印字タイプや「外付け」になっていることが多いですね。

「肌への優しさ」を最優先するなら、最強の選択肢かもしれません。

ただし、注意点もあります。

素材の章でもお話しした通り、天然素材100%では伸縮性が出ないため、どうしても数%のポリウレタンは入っていることが多いです。

そして、ナイロン系のナイトブラと比べると、どうしても「ホールド力」や「バストを支える力」は、「ゆるやか」あるいは「穏やか」な傾向があります。

「ゆるゆる」というわけではなくても、あの「グッ」と支える感じは少ないかもしれません。

「ホールド力」よりも、とにかく「素材の安心感」を最優先したい、という方向けですね。

あと、シルクの場合は、例の「洗濯の手間」と「価格」という、大きなハードルが待っています…。

縫い目ゼロ!「シームレス(接着)」タイプのチェックポイント

もう一つの選択肢として、「縫い目」の刺激に特に弱いんだ、という人向けの話です。

「タグ」も「素材」もクリアしたのに、脇やアンダーの「縫い目」がどうしてもゴロゴロしてダメ…。

そんな方には、糸で「縫う」のではなく、熱や圧力で「接着(ボンディング)」して作られた「シームレス」タイプのナイトブラも、選択肢になるかもしれません。

生地の端が「フリーカット(切りっぱなし)」になっているものと組み合わさっていることが多いですね。

このタイプのメリットは、圧倒的な「フラット感」。

「縫い目(線)」「タグ(点)」「ゴム(アンダー)」という、3大チクチク・ゴワゴワ要因を、一気にまとめて解消できる可能性があります。

肌に当たる凹凸が本当にないので、着けているのを忘れるような開放感がある、とも言われますね。

構造も、もちろん「ノンワイヤー」「ノンホック」です。

ただし、注意点ももちろんあります。

まず、素材は「ナイロン、ポリウレタン」が主流です。

天然素材でこの技術を使っているものは、私はまだあまり見たことがありません。

(なので、天然素材派の方には向きませんね)

そして、もう一つ。

「糸」の刺激はなくても、「接着剤」が肌に合わない、という可能性も、ゼロではないかもしれません。

あとは、洗濯を繰り返した時の「耐久性」。

接着部分が、いつか剥がれてきたりしないのかな?という不安は、正直なところ、ちょっとあります。

「縫い目のゴロゴロ」が何よりも許せない!という方は、試してみる価値はありそうです。

結局どれが?自分に合う一枚を見極める最終確認

さて、いくつかのタイプを見てきましたが、いかがだったでしょうか。

人気があるから「ヴィアージュ」にする?

素材を優先して「コットン」にする?

縫い目をなくして「シームレス」にする?

もう、悩ましいですよね。

でも、答えは「人気」の中にはなく、あなたの「肌」の中にしかありません。

この記事で、しつこいくらいお話ししてきた通りです。

あなたが、今までの人生で、何に一番ストレスを感じてきたか。

・服の「タグ」がチクチクして、いつも全部切っていた人

→ それなら、ヴィアージュのような「印字タイプ」は、すごく相性が良いかもしれません。

・汗をかくとすぐ「あせも」ができたり、化学繊維の服で「静電気」が起きやすかったりした人

→ それなら、ナイロン系は避けて、「天然素材(コットン・シルク)」を最優先すべきです。ホールド力は二の次と割り切る勇気も必要かもしれません。

・下着の「縫い目」や「ゴムの跡」が、いつもミミズ腫れになっていた人

→ それなら、「シームレス」や「フリーカット」のフラットな構造が、あなたの救世主になる可能性があります。

自分の肌が「何を一番嫌がっているのか」、その「優先順位」をしっかり決めること。

それが、たくさんの情報や人気に惑わされず、本当に自分に合う一枚を見つけるための、一番の近道なんだと思います。

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