ナイトブラの素材かぶれ|化学繊維とレースに潜む肌トラブルのリスク

ナイトブラの不安解消ガイド

今や、寝ている間のバストケアは当たり前の習慣になってきましたよね。

「よし、私もナイトブラを新調しよう!」。

そう思って、気分が上がる可愛いデザインのものを選んだり、逆にホールド力重視で機能的なものを選んだり。

期待して着けてみたのに、「あれ、なんだかチクチクする…」「着けてるとムズムズかゆい…」。

そんな経験はありませんか。

バストを「ケア」するために買ったはずが、逆に「肌トラブル」の原因になってしまうなんて、本当にショックですよね。

「汗をかいたからかな?」「サイズが合ってないのかな?」と色々考えてしまいますが、その不快感、もしかしたら「素材」そのものが原因かもしれません。

ここでは、ナイトブラに使われがちな化学繊維やレースがなぜ肌トラブルを引き起こすのか、その理由と、もう失敗しないための「肌に優しい選び方」を徹底的に掘り下げていきます。

もしかして私も?ナイトブラで「かゆい」「チクチク」する原因は素材かも

新しく買ったナイトブラ。

デザインも可愛いし、しっかりホールドしてくれそうだし、これで快適な睡眠とバストケアができるぞー。

なんてウキウキした気分で着けて寝た翌朝。

なんだか胸のあたりがかゆい。

特にブラのフチや、レースが当たっていた部分が赤くなっている…。

そんな経験、ありませんか。

日中はなんともないのに、なぜかナイトブラを着けて寝た時だけ肌の調子が悪くなる。

その不快な「かゆみ」や「チクチク感」、もしかしたらナイトブラの「素材」が原因かもしれませんね。

ナイトブラはバストを支えるために、伸縮性の高い化学繊維や、デザイン性の高いレースが使われていることが多いです。

実はこれらが、デリケートな肌にとって「かぶれ」や「肌荒れ」の原因になっている可能性があるんです。

ここでは、なぜナイトブラで肌トラブルが起きてしまうのか、その原因と対策について、じっくり考えていきたいと思います。

そのかゆみ、本当に汗だけ?よくある肌トラブルのサイン

特に夏場や、暖房の効いた部屋で寝ていると、かゆみの原因を「汗で蒸れたせい」で片付けてしまいがちです。

確かに、汗は肌トラブルの大きな引き金になります。

でも、冬場のそこまで汗をかかない時期でもかゆい、ムズムズする…という場合は、汗だけが原因とは言い切れないかもしれません。

例えば、こんなサインはありませんか。

まず、ブラのアンダー部分や脇のフチが、ぐるっと赤くなっている。

これはゴムや生地の端が肌に擦れて刺激になっているサインです。

次に、レースや刺繍(ししゅう)が使われている部分だけ、ポツポツと赤みが出たり、その形に沿ってかゆみが出たりするケース。

これは、装飾そのものが肌に物理的な刺激を与えている可能性が高いです。

また、特定のブラを着た時だけ、全体的に肌がチクチクする、ムズムズとした不快感が続く、というのも要注意。

これらは「接触性皮膚炎(せっしょくせいひふえん)」、いわゆる「かぶれ」の初期症状かもしれません。

汗は、それらの素材と肌との摩擦を強めたり、素材に含まれる化学物質を溶け出させたりする「きっかけ」にはなりますが、根本的な原因は素材そのものにあるかもしれないのです。

「ただのあせも」だと思っていたら、実は素材が肌に合っていなかった、というのはナイトブラ選びではよくある話なんですよね。

なぜ寝ている間にトラブルが起きやすいのか?

「日中に使っているブラは平気なのに、なんでナイトブラだけ?」と不思議に思うかもしれません。

これには、私たちが寝ている間の「環境」が大きく関係しています。

理由は大きく分けて3つあると思います。

1つ目は、圧倒的な「着用時間の長さ」です。

ナイトブラは、その名の通り夜寝る時から朝起きるまで、平均して6時間から8時間も連続で肌に密着し続けます。

日中のブラだって長く着けていますが、帰宅後すぐに外す人も多いでしょう。

夜間は、肌が刺激にさらされ続ける時間が非常に長いんです。

2つ目は、「就寝中の汗(蒸れ)」です。

人は寝ている間にコップ一杯分の汗をかく、なんて話をよく聞きますよね。

特に胸元や背中は汗をかきやすく、布団の中は温度も湿度も高くなりがち。

この「高温多湿」な環境は、肌のバリア機能を低下させ、雑菌も繁殖しやすくなります。

素材の通気性が悪いと、汗が発散されずにブラ内部にこもり、肌がふやけたようになって、より刺激を受けやすくなってしまうんです。

3つ目は、「寝返りによる摩擦」です。

寝ている間、私たちは無意識に何度も寝返りを打ちます。

そのたびに、肌とナイトブラの素材は擦れ合っています。

特に硬いレースやザラザラした化学繊維は、この摩擦によって肌の表面を細かく傷つけてしまうことがあります。

「長時間」「蒸れ」「摩擦」。

この3つの条件がそろう就寝中は、日中よりも格段に肌トラブルが起きやすい時間帯だと言えるわけです。

我慢して使い続けるのはNG!肌荒れを放置するリスク

「ちょっとかゆいだけだし、我慢しよう」。

「デザインは気に入ってるし、高かったから勿体無いし」。

その気持ち、すっごくわかります。

私も「そのうち慣れるかも」なんて思って、使い続けたことがありますから。

でも、肌からのサインを無視して我慢し続けるのは、本当におすすめできません。

なぜなら、もっと深刻な肌トラブルにつながる可能性があるからです。

まず、かゆみを感じると、寝ている間に無意識に掻きむしってしまいますよね。

肌を掻くと、表面にある「角質層」が傷つき、肌のバリア機能がどんどん低下していきます。

バリア機能が壊れた肌は、外部からのわずかな刺激にも敏感になり、さらにかゆみが強くなる…という悪循環に陥ります。

さらに、掻き壊した傷口から雑菌が入ると、炎症がひどくなってジクジクしたり、治りが遅くなったりすることも。

そして、女性にとって一番避けたいのが「色素沈着(しきそちんちゃく)」です。

炎症が続いた肌は、メラニンを過剰に生成しようとします。

つまり、かゆみを我慢して使い続けた結果、ブラの跡がそのまま茶色いシミや黒ずみになって残ってしまう可能性があるんです。

バスト周りのデリケートな肌に黒ずみができてしまったら、元に戻すのはとても大変。

「もったいない」という気持ちが、結果的にもっと高くつくことになりかねません。

肌が「NO」と言っている時は、勇気を持って使用を中止することが大切です。

「素材かぶれ」を疑う前にチェックしたいこと(サイズ、洗濯洗剤)

「かゆい=即、素材が悪い!」と決めつける前に、一度立ち止まって確認してほしいポイントが2つあります。

意外と、これらを見直すだけであっさり解決することもあるからです。

1つ目は、「サイズは本当に合っていますか?」という点。

特に、ナイトブラは「ホールド感」を重視するあまり、無意識に小さいサイズを選んでしまっていることがあります。

サイズが小さすぎると、肌への圧迫が強くなり、血行が悪くなるだけでなく、常に強い摩擦がかかる状態になります。

これでは、いくら肌に優しいコットン素材だったとしても、締め付けによってかゆみや赤みが出てしまうのは当然ですよね。

朝起きた時に、肌にクッキリと深い跡が残っていたり、苦しさを感じたりする場合は、サイズが合っていない可能性を疑ってみてください。

2つ目は、「洗濯洗剤や柔軟剤」です。

最近、洗剤や柔軟剤のブランドを変えませんでしたか。

もしくは、香りを強くしたくて、規定量より多く入れていませんか。

洗い残った洗剤の成分が、汗と混じり合うことで肌を刺激することがあります。

特に柔軟剤は、繊維をコーティングして柔らかくするものですが、その成分が肌に合わない人もいます。

また、コーティングによって吸湿性や通気性が落ちてしまい、結果的に蒸れやすくなってかゆみを引き起こすことも。

一度、肌に優しいタイプ(無添加やベビー用など)に変えてみたり、すすぎの回数を増やしてみたりするのも一つの手です。

これら2点を確認しても、やっぱりかゆみが改善しない…。

そうなると、いよいよ「素材」そのものが肌に合っていない可能性が濃厚になってきます。

経験者が語る「私も素材で失敗しました」という悩み

かくいう私も、ナイトブラの素材で失敗した経験は一度や二度ではありません。

一番よく覚えているのは、数年前に「とにかくデザインが可愛い!」と一目惚れして買ったナイトブラです。

全体が繊細なレースでできていて、見た目は本当にテンションが上がる逸品でした。

でも、いざ着て寝てみると…チクチクする。

レースの硬い端っこが、肌に当たってかゆいんです。

寝返りを打つたびにチクッとして、気になってしまい、結局ぐっすり眠れませんでした。

また、別の時には「ホールド力重視」を謳った、スポーツブラのようなガッチリしたタイプのものを試しました。

素材はナイロンやポリエステルがメインの、いわゆる化学繊維100%という感じ。

確かにバストは揺れないんですが、今度は通気性が悪くて…。

寝ている間に汗がこもってしまい、朝起きたら胸の谷間やアンダーバストがあせものように真っ赤になってしまいました。

「あっちを立てればこっちが立たず」とは、まさにこのこと。

デザインの可愛さ、ホールド力という機能性。

もちろんそれらも大事ですが、毎晩、長時間、直接肌に触れ続けるものだからこそ、「素材との相性」が何より重要なんだな、と痛感した出来事です。

きっと、同じような悩みを持っている方、多いんじゃないかなと思います。

要注意!肌荒れを引き起こす「化学繊維」と「レース」の落とし穴

さて、前の章で「素材が原因かも」というところまでたどり着きました。

では、具体的にどんな素材が肌トラブルを引き起こしやすいのでしょうか。

ナイトブラでよく「かゆみ」「チクチク」の原因として挙げられるのが、何を隠そう「化学繊維」と「レース」です。

皮肉なことに、この2つはナイトブラの「機能性」や「デザイン性」を高めるために、非常によく使われている素材なんですよね。

ホールド感を出すための伸縮性、バストの形を保つための耐久性、そして気分を上げるための可愛いデザイン。

それらを実現してくれる素材が、なぜ私たちの肌を悩ませるのか。

そこにはちゃんとした理由があるんです。

ここでは、その落とし穴について詳しく見ていきましょう。

なぜ化学繊維はかゆくなりやすい?ナイロンやポリエステルの特性

ナイトブラの素材表記を見ると、「ナイロン」「ポリエステル」「ポリウレタン」といった名前をよく見かけませんか。

これらはすべて「化学繊維」の仲間です。

特にポリウレタンは、あの驚異的な伸縮性を生み出すために、ほぼすべてのナイトブラに(数%〜数十%)含まれています。

これらの化学繊維が、なぜ肌にかゆみを引き起こしやすいのか。

大きな理由は2つあると言われています。

1つは、汗を吸う力、つまり「吸湿性(きゅうしつせい)」が低いこと。

もう1つは、「静電気(せいでんき)」が発生しやすいことです。

もちろん、化学繊維そのものに含まれる化学物質にアレルギー反応を起こしている場合もありますが、多くの場合はこの「吸湿性の低さ」と「静電気」がトラブルの引き金になっているようです。

化学繊維のメリットとデメリット(吸湿性・通気性の観点から)

まず、化学繊維のメリットについてもおさらいしておきましょう。

なぜこんなに多用されるかというと、やっぱり機能的に優秀だからです。

例えば、伸縮性が抜群なので、体にぴったりフィットしてバストを支えてくれます。

洗濯しても型崩れしにくく、シワにもなりにくい。

そして何より、乾くのが速い。

スポーツウェアに多用されることからも、その利便性はわかりますよね。

しかし、この「乾きやすい」という特性は、裏を返せば「水分を吸わない(吸湿性が低い)」ということです。

これがナイトブラになると、大きなデメリットに変わります。

寝ている間にかく汗を、生地が吸い取ってくれない。

汗は肌の表面に残り続け、ブラの内部は高温多湿のサウナ状態になります。

そうなると、肌はふやけて角質層が柔らかくなり、バリア機能がガクンと低下します。

さらに、その湿気は雑菌の大好物。

蒸れるわ、雑菌は繁殖するわで、肌がかゆくなる環境がバッチリ整ってしまう、というわけです。

通気性が良くても、吸湿性が低いと結局は蒸れてしまう、というのが化学繊維の難しいところですね。

ナイロン素材が肌に与える影響とは

化学繊維の中でも、特に「ナイロン」は肌トラブルの原因としてよく名前が挙がる素材です。

ナイロンは、非常に丈夫で摩擦に強く、伸縮性も高いため、シームレス(縫い目がない)タイプのナイトブラや、パワーの強い補正下着によく使われています。

ツルツルとした肌触りも特徴ですよね。

しかし、このナイロンも吸湿性が低い素材の代表格です。

汗をかくと、ベタッと肌に張り付くような不快感を感じたことがある人もいるんじゃないでしょうか。

そしてもう一つ、ナイロンのやっかいな特性が「静電気を帯びやすい」ことです。

特に空気が乾燥する冬場。

乾燥した肌とナイロン素材が擦れ合うと、パチパチと静電気が発生します。

この静電気が、肌の表面にある知覚神経を刺激して、ムズムズとしたかゆみを引き起こすことがあるんです。

「冬になると、決まってこのブラがかゆくなる」という人は、ナイロンによる静電気の刺激を疑ってみてもいいかもしれません。

レース素材が「チクチク」する物理的な理由

さて、お次は「レース」です。

レースが使われていると、一気にデザインが華やかになって、気分も上がりますよね。

私も大好きです。

でも、このレースが「チクチク」の主な原因であることも、また事実。

レースによる肌トラブルは、化学繊維の「蒸れ」や「静電気」といった化学的・電気的な刺激とはちょっと種類が違います。

原因はもっとシンプル。

ずばり、「物理的な刺激」です。

レースは、糸を編んだり、刺繍したりして模様を作っています。

そのデザインが複雑になればなるほど、生地の表面には凹凸ができますし、糸の端っこ(切りっぱなしの部分)も多くなります。

特に安価なレースだと、使われている繊維が硬かったり、端の処理が雑だったりすることも。

その硬い繊維の端や、模様の凹凸が、デリケートなバスト周りの皮膚に「点」で当たり続ける。

寝返りを打つたびに、その「点」が肌を擦る。

まるで、小さな針でチクチクと刺されているようなものです。

これでは、かゆくなったり、痛くなったりするのも無理はありません。

化学物質にアレルギーがなくても、単純に「硬いものが当たるから痛い・かゆい」という、とても分かりやすい理由なんですよね。

見た目の可愛さと裏腹に…レースが肌に合わない人の特徴

「レースのデザインは好きだけど、どうも肌が受け付けない…」。

そんなふうに感じている人は、もともと肌が物理的な刺激に弱いタイプなのかもしれません。

例えば、普段から肌が乾燥しがちで、カサカサしやすい人。

乾燥した肌は、表面の角質がめくれがちで、バリア機能が低下しています。

そこにレースの硬い繊維が当たると、健康な肌の人よりも強い刺激として感じてしまいます。

また、アトピー性皮膚炎の傾向がある人や、もともと敏感肌を自覚している人も、レースは避けた方が無難かもしれません。

もっと分かりやすい判断基準としては、「洋服についている洗濯表示のタグが当たるだけでかゆくなる」という人。

あのペラペラのタグですら刺激になるくらいですから、それよりも硬くて凹凸のあるレースが肌に長時間触れ続ければ、トラブルが起きやすいのは想像に難くありません。

「可愛さ」をとるか、「肌への優しさ」をとるか。

レース選びは、まさにそこの葛藤ですよね。

汗や蒸れが化学繊維・レースとの摩擦を悪化させる仕組み

ここまで、「化学繊維(主に蒸れ・静電気)」と「レース(物理刺激)」という、2つの異なる原因を見てきました。</

実は、この2つがタッグを組むと、肌へのダメージはさらに加速します。

その最悪の仲介役となるのが、やはり「汗」です。

思い出してみてください。

ナイトブラの多くは、「化学繊維」で生地本体が作られ、その上に装飾として「レース」が縫い付けられています。

まず、化学繊維の特性によって、汗が発散されずにブラ内部が蒸れます。

汗でふやけた肌は、角質層が柔らかくなり、外部からの刺激にとても弱くなります。

いわば、鎧(よろい)を脱いだ丸裸の状態です。

その無防備になった肌に、寝返りを打つたびに、あの硬いレースの繊維や凹凸がグリグリと擦り付けられる。

…想像しただけでも、かゆくなりそうですよね。

健康な肌なら跳ね返せたはずのわずかな物理刺激が、ふやけた肌には深く突き刺さってしまいます。

化学繊維が「蒸れ」という環境を作り出し、レースが「物理攻撃」を仕掛ける。

このコンビネーションが、ナイトブラによる肌トラブルを深刻化させる大きな要因になっているんです。

素材だけじゃない!ナイトブラ選びで見落としがちな肌刺激ポイント

前の章で「化学繊維」と「レース」の危険性について見てきました。

「よし、じゃあ肌に触れる面はコットン(綿)100%のものを選ぼう!」。

そう思って素材にこだわって選んだナイトブラ。

それなのに、まだかゆい。

まだチクチクする…。

そんな経験、ありませんか。

実は、ナイトブラには素材(繊維)そのもの以外にも、肌を刺激する「落とし穴」がいくつか潜んでいるんです。

せっかく素材にこだわったのに、他の部分が原因で使えなくなっちゃうなんて、悲しすぎますよね。

ここでは、そんな見落としがちな「肌刺激ポイント」を一緒にチェックしていきましょう。

意外な盲点「洗濯表示タグ」が肌に当たっていませんか?

これ、ナイトブラに限らず、洋服全般で「かゆみの原因あるある」の第1位かもしれません。

そう、「洗濯表示タグ」です。

たいてい、脇腹や背中の内側に縫い付けられていますよね。

あのペラペラしたタグ、素材はナイロンやポリエステルでできていることが多く、結構ハリがあって硬いんです。

特に、角っこ。

あの角が、寝ている間に肌の柔らかい部分に何度も何度も擦り付けられる。

日中、起きて活動している時なら「あ、タグが当たって痛いな」と直せますが、寝ている間は無防備です。

6時間も8時間も、同じ場所がチクチクと攻撃され続ければ、朝起きた時にはそこだけ真っ赤になっていた…なんてことも。

前の章で「レースが合わない人の特徴」として、「服のタグが気になる人は注意」と書きましたが、まさにこれです。

もし「素材はいいはずなのに、なぜか脇腹だけがかゆい」という場合は、まずこのタグを疑ってみてください。

肌に当たらないように、ハサミで根本から(生地を切らないように!)慎重にカットしてしまうだけで、驚くほど快適になるケースは本当に多いですよ。

縫い目(シーム)の処理は肌に優しいか

お次は「縫い目」、専門用語でいう「シーム」です。

生地と生地を縫い合わせている部分ですね。

この縫い目が、意外とくせ者なんです。

例えば、生地の端がほつれないように処理する「ロックミシン」という縫い方があります。

このロックミシンの糸が、やけに硬いナイロン糸だったりすると、その縫い目全体がザラザラとしたヤスリのようになって肌を刺激します。

また、脇の下やアンダーバストの部分など、パワーを持たせるために生地が何枚も重なっていたり、ゴムが一緒に縫い込まれていたりする部分は、どうしても縫い代(ぬいしろ)が分厚く、硬くなりがち。

その硬い「段差」が、長時間にわたって肌に押し付けられ、圧迫される。

寝返りで擦れる。

そうすると、その縫い目の形に沿って、赤くミミズ腫れのようになってしまうことがあります。

最近は「シームレス(無縫製)」を謳ったナイトブラも増えていますが、それはまさにこの縫い目による肌ストレスを軽減するための工夫なんですよね。

ホックやアジャスター金具の「金属アレルギー」リスク

一般的なナイトブラは、かぶるタイプが多く、金属パーツが使われていることは少ないかもしれません。

でも、中には日中も使えるよう、背中にホックがついているタイプや、ストラップの長さを調節するために「アジャスター」と呼ばれる金具がついているものもあります。

もし、あなたが金属アレルギー、特にニッケルなどにアレルギーを持っている場合、これらが肌荒れの原因になる可能性があります。

日中は平気でも、夜間に汗をかくと話は別です。

汗(水分と塩分)は、金属を微量に溶かし出して「金属イオン」に変えてしまいます。

この金属イオンが肌のタンパク質と結合し、それを体が「異物だ!」と判断すると、アレルギー反応としてかゆみや発疹(はっしん)、かぶれを引き起こしてしまうんです。

「なぜか背中のホックの部分だけがかぶれる」「肩紐の金具が当たるところだけ赤くなる」。

そんなピンポイントな症状が出る場合は、金属アレルギーを疑ったほうがいいかもしれません。

肌が敏感な人は、なるべく金具が使われていないシンプルなデザインを選ぶのが安心ですね。

強すぎる締め付け(着圧)が引き起こす摩擦と肌ダメージ

これは第1章の「サイズ確認」ともつながる話ですが、非常に重要なのでもう一度。

「バストをしっかりホールドしなきゃ!」という使命感から、ついついキツめのサイズを選んでいませんか。

素材がいくら肌に優しいオーガニックコットンだったとしても、物理的に強すぎる締め付け(着圧)があれば、肌はダメージを受けます。

強すぎる圧迫は、まず血行を妨げます。

そして、肌は常に「布に強く押し付けられている」状態になります。

私たちは寝ている間も呼吸で胸郭(きょうかく)が動きますし、寝返りも打ちます。

そのたびに、キツく張り付いた生地と肌との間で、強い摩擦(ずれ)が生じます。

これが、肌の表面(角質層)を傷つけ、バリア機能を低下させる原因になります。

朝起きた時、アンダーバストや肩に、消えにくいクッキリとした跡がついていて、その跡に沿ってかゆみや赤みが出ている場合、それは「締め付けすぎ」のサインです。

ナイトブラは、バストを「寄せて上げる」ものではなく、「適切な位置に支えて流れないようにする」もの。

苦しさを感じるほどの締め付けは、百害あって一利なし、です。

素材が良くても「洗濯方法」が肌荒れの原因になることも

これも第1章で少し触れましたが、見落としがちなポイントです。

特に「柔軟剤」の使い方には注意が必要かもしれません。

柔軟剤は、繊維を陽イオン(カチオン)の界面活性剤でコーティングすることで、肌触りをフワフワにしています。

しかし、このコーティング成分そのものが肌に合わず、刺激になってしまう人がいます。

また、このコーティングが、せっかくのコットン(綿)素材の「吸湿性」を邪魔してしまう、という本末転倒なことも起こり得ます。

綿が本来持っている「汗を吸う力」が柔軟剤の膜によって弱められ、結果的に汗が肌に残り、蒸れてかゆくなる…なんてことも。

良かれと思ってやったことが、裏目に出ちゃうわけです。

もちろん、洗剤のすすぎ残しも同様に肌への刺激になります。

肌がデリケートになっている時は、一度、柔軟剤の使用をやめてみたり、洗剤を「すすぎ1回OK」のものでもあえて「2回すすぎ」に設定してみたり、ベビー用の低刺激な洗剤に変えてみたりするのも、試す価値アリですよ。

敏感肌さん必見!素材かぶれを防ぐナイトブラの賢い選び方 5つの基準

さて、ここまでの章で「化学繊維の蒸れ」「レースのチクチク」「タグや縫い目の刺激」など、ナイトブラに潜むたくさんの「かゆみの原因」を見てきました。

「もう、何を着たらいいのかわからない!」。

そんなふうに、ナイトブラ迷子になってしまったかもしれませんね。

でも、大丈夫です。

これまでの原因を踏まえれば、今度は「肌に優しいナイトブラ」をしっかり見極めることができます。

もう失敗しないために、私たちがチェックすべき「賢い選び方の基準」を5つにまとめました。

敏感肌さんや、かぶれ経験者さんは、ぜひこの基準で選んでみてください。

基準1:まずはコレ!肌に優しい「天然素材(コットン・シルク)」を選ぶ

化学繊維(ナイロン、ポリエステル)の最大の弱点は、「吸湿性(汗を吸う力)」が低いことでした。

その問題を根本から解決してくれるのが、やはり「天然素材」です。

肌着の王道である「コットン(綿)」は、その代表格ですね。

コットンは吸湿性が非常に高く、寝ている間にかいた汗をしっかりと吸い取ってくれます。

肌触りも柔らかく、繊維の刺激も少ない。

さらに、化学繊維と違って静電気も起きにくいので、冬場の乾燥によるチクチク感も防いでくれます。

「何を選んだらいいか迷ったら、まずコットン100%」。

これは、肌トラブルを避けるための鉄則と言ってもいいかもしれません。

もう一つの選択肢が「シルク(絹)」です。

シルクは人間の肌に近いアミノ酸で構成されていると言われており、肌へのなじみが抜群に良い素材です。

表面が非常に滑らかで、肌への摩擦抵抗が極めて少ないのも特徴。

吸湿性・放湿性(湿気を外に逃す力)ともに優れているので、夏は涼しく、冬は暖かいという高機能素材でもあります。

もちろん、お値段が高くなることや、洗濯に気を使うデリケートさというハードルはありますが、肌への優しさを最優先するなら、シルクは最高の選択肢の一つになりますね。

基準2:化学繊維でも「肌に触れる面」が天然素材かチェック

「コットンやシルクが良いのはわかったけど、ホールド力も捨てがたい」。

そうですよね。

ナイトブラである以上、ある程度の伸縮性やバストを支える力は必要です。

そして、その伸縮性を生み出しているのは、残念ながら「ポリウレタン」などの化学繊維なんです。

だから、現実的には「化学繊維ゼロ」のナイトブラを見つけるのは難しいかもしれません。

そこでおすすめしたいのが、この基準2です。

「全体が無理なら、せめて肌に直接触れる面だけでも天然素材か」。

これをチェックするんです。

ナイトブラを裏返してみて、カップの内側(肌が当たる部分)や、生地の裏側がコットンやシルクで覆われているタイプを選びましょう。

品質表示タグに「肌側:綿100%」とか「カップ裏:シルク100%」といった表記がある製品が狙い目です。

これなら、外側の化学繊維が「ホールド力」を発揮しつつ、肌は天然素材の「優しさ」に守られる。

機能性と肌への優しさを両立できる、非常に賢い選び方だと思います。

基準3:レースや装飾が肌に直接触れないデザインか

デザインの可愛さも、ナイトブラ選びの重要なモチベーションですよね。

「肌に優しいブラ=地味で可愛くない」なんて、悲しすぎます。

「レースがチクチクする」という問題がありましたが、これも工夫次第で解決できます。

チェックするポイントは、「そのレース、肌に直接当たりますか?」ということです。

レースが肌トラブルの原因になるのは、その硬い繊維や凹凸が「直接」肌を擦るからでした。

ならば、直接当たらなければいいわけです。

最近は、デザイン性を高めるために、レースは生地の「外側」にだけあしらわれているものが増えています。

ブラを裏返した時、肌に当たる側がツルンとした一枚の生地(コットンの裏地など)で、レースのザラザラした裏側が全く見えない・触れないようになっていれば完璧です。

これなら、見た目の可愛さを楽しみつつ、チクチクする物理刺激だけをシャットアウトできます。

デザインを諦める前に、レースが「肌に当たるか・当たらないか」をぜひ確認してみてください。

基準4:タグや縫い目が刺激にならない「シームレス」「タグレス」仕様

素材は完璧。

レースも当たらない。

それなのに、脇腹や背中がチクチクする…。

その犯人は、「洗濯表示タグ」や「縫い目」かもしれませんでしたね。

これも、選び方で回避できます。

まずは「タグレス」仕様。

これは、あの annoying な洗濯表示タグを縫い付ける代わりに、生地の裏側に直接「プリント(印刷)」してあるタイプのことです。

タグそのものが存在しないので、タグの角が当たってかゆくなる心配はゼロ。

最近は下着だけでなく、Tシャツなどでも増えてきている、とても賢い仕様です。

そして「シームレス(無縫製)」仕様。

これは、生地と生地を糸で縫い合わせる代わりに、特殊な接着技術(ボンディング)などで貼り合わせたり、一着まるごと編み上げたりして、縫い目を極力なくしたものです。

縫い目のあの「ゴロゴロする硬い段差」がなくなるので、肌への当たりが非常に滑らかになります。

「タグレス」と「シームレス」、この2つをキーワードに探せば、物理的な刺激を極限まで減らしたナイトブラに出会えるはずです。

基準5:通気性と吸湿性・速乾性のバランスを見極める

最後の基準は、少しだけ上級編かもしれません。

それは「汗との付き合い方」です。

ここまで、「汗を吸う力=吸湿性」が大事だと繰り返してきました。

そして、それが得意なのが「コットン」です。

しかし、コットンには一つ弱点があります。

それは「乾きが遅い(速乾性がない)」こと。

もしあなたが、寝ている間にものすごく汗をかくタイプ(いわゆる汗っかき)だった場合、コットン100%のブラは、吸った汗で一晩中びっしょりと湿ったままになる可能性があります。

湿った布がずっと肌に触れていると、体が冷えてしまいますし(汗冷え)、結局は蒸れて「あせも」の原因にもなりかねません。

一方で、化学繊維は「速乾性」は高いですが、「吸湿性」は低い。

このバランスが難しいんです。

「自分はそこまで汗をかかない」という人なら、吸湿性重視の「コットン100%」や「肌側コットン」がベストマッチでしょう。

「とにかく汗がすごい」という人は、あえてスポーツウェアに使われるような「吸水速乾性」を謳った機能性素材(ポリエステル系)を選ぶほうが、かえって肌をサラサラに保てて快適な場合もあります。

自分の体質(汗の量)を見極めて、どの機能を優先するべきか考える。

これが、ナイトブラ選びの最後の関門かもしれませんね。

人気のナイトブラを「肌刺激の5つの基準」でチェックしてみる

さて、これまでに「肌に優しいナイトブラの選び方」を5つの基準で見てきました。

とはいえ、いざお店やネットショップを見ると、たくさんの商品が並んでいて、どれがその基準を満たしているのか、一つひとつチェックするのは大変ですよね。

そこでここでは、特に人気が高く、名前を聞く機会も多い「ヴィアージュ(Viage)ナイトブラ」を例にとって、私たちの基準でチェックしてみたいと思います。

あわせて、それとは対照的な「コットン(綿)素材」をウリにしているタイプについても比較してみましょう。

どちらが優れている、という話ではなく、あなたの肌悩みの「原因」に、どちらがよりマッチしているか、を考えるヒントにしてみてください。

「物理刺激」を徹底的に排除した代表格:「ヴィアージュ(Viage)」の場合

「ヴィアージュ(Viage)ナイトブラ」、ネット広告やSNSなどで一度は目にしたことがある、という方も多いんじゃないでしょうか。

非常に人気のある商品ですよね。

このブラを、私たちの「肌刺激」の観点から分析してみましょう。

まず、最大の注目ポイントは、「レース」を使っていないこと(基準3クリア)。

そして、脇や背中に「洗濯表示タグ」が縫い付けられておらず、生地に直接プリントされている「タグレス」仕様であること(基準4クリア)。

さらに、生地の縫い目(シーム)が極力少なくなるように作られている、いわゆる「シームレス」に近い構造であること(基準4クリア)。

これが何を意味するかというと、「チクチクする」「ゴワゴワする」といった、前の章で見てきた「物理的な刺激」の原因を、徹底的に排除しようとしている設計だということです。

「とにかくタグが当たってかゆい!」「レースの凹凸がダメ!」「縫い目が肌に食い込む!」という悩みを持っていた人にとっては、まさに救世主のような存在かもしれません。

一方で、素材も見てみましょう(基準1・2)。

ヴィアージュの本体素材は、主に「ナイロン」と「ポリウレタン」です。

…そう、これは「化学繊維」ですね。

化学繊維の弱点は、「吸湿性(汗を吸う力)」が低いことでした。

もちろん、肌に触れるパッド(カップ)部分はコットンが使われているなどの配慮はありますが、体をぐるっと包む生地の大部分はナイロンです。

つまり、ヴィアージュは「物理刺激は最小限、でも素材は化学繊維」という特徴を持っていると言えます。

「素材」の安心感を最優先する:「オーガニックコットン系」の選択肢

では次に、ヴィアージュとは対照的に、「素材」を最優先したナイトブラについて考えてみましょう。

世の中には、「オーガニックコットン100%」や「肌側すべて綿100%」をウリにしているナイトブラもたくさんあります。

これらは、まさに私たちの「基準1(天然素材)」や「基準2(肌側が天然素材)」を真正面からクリアしに来ている商品です。

化学繊維の「蒸れ」や「ベタつき」、「静電気」がとにかく苦手で、それこそがかゆみの原因だった、という人にとっては、最高の選択肢になります。

コットンならではの、汗をしっかり吸ってくれる安心感や、ふんわりとした肌触りは、何物にも代えがたい快適さがありますよね。

では、これらのブラの弱点はどこにあるでしょうか。

それは、ヴィアージュが得意としていた「物理刺激」の面です。

コットン系のブラは、昔ながらの製法で作られていることも多く、脇腹に「洗濯表示タグ」がしっかりと縫い付けられている場合があります(基準4NG)。

また、生地の伸縮性を補うために、アンダーバストに幅広のゴムを縫い付けていたり、脇の部分にパワーを持たせるために縫い目(シーム)がしっかり入っていたりすることも(基準4NG)。

もちろん、商品によりますが、「素材は最高だけど、タグや縫い目が刺激になる」という可能性を秘めているわけです。

あなたの「かゆみの原因」はどっち?

さあ、2つのタイプを比べてみて、いかがでしょうか。

どちらも一長一短があることが、よくわかりますよね。

ここで大事なのは、あなたが今まで悩まされてきた「かゆみ」や「チクチク」の主な原因が、いったい何だったのかを思い出すことです。

もし、あなたの敵が「タグのチクチク」「レースのザラザラ」「縫い目のゴロゴロ」といった【物理的な刺激】であるなら…。

ヴィアージュのような、シームレス・タグレス・レースレスの化学繊維ブラは、試してみる価値が非常に高いです。

(ただし、汗っかきさんや、ナイロンそのものにアレルギーがある場合は慎重に)。

逆に、あなたの敵が「汗による蒸れ」「化学繊維のベタつき」「静電気」といった【素材そのもの】であるなら…。

オーガニックコットン系のような、天然素材を最優先したブラを選ぶべきです。

(ただし、買う前に必ず「タグ」と「縫い目」の処理がどうなっているか、裏返してチェックするのを忘れずに)。

このように、人気商品も「自分の肌基準」で分析してみると、選ぶべき理由と、注意すべき点が見えてきますね。

まとめ:素材かぶれを理解して、自分に最適なナイトブラを見つけよう

ナイトブラの「かゆい」「チクチクする」といった肌トラブルの原因について、じっくり見てきました。

原因は、ナイロンなどの化学繊維や、可愛いレース素材そのものだけではありませんでしたね。

意外な盲点だった「タグ」や「縫い目」、そして「強すぎる締め付け」も、肌を刺激する立派な要因でした。

でも、原因がこれだけはっきりわかれば、もう大丈夫。

「肌に触れる面はコットンか」「レースは直接当たらないか」「タグや縫い目はどうなっているか」。

今回ご紹介した5つの選び方の基準を思い出してチェックすれば、きっとあなたの肌に合う、快適な一枚が見つかるはずです。

自分の肌質を理解して、賢く選んでいきましょう。

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ここでは「素材」が原因のかぶれについて詳しく見てきました。

でも、ナイトブラのかゆみや肌荒れには、実は素材以外にも色々な原因が潜んでいます。

もし「素材はクリアしたはずなのに、まだ調子が悪い…」とか「他の対策も知りたい」という場合は、こちらの記事もヒントになるかもしれません。

例えば、かゆみや湿疹の原因を総合的に知りたい場合は、まず「ナイトブラでかゆみ・湿疹が!肌荒れを引き起こす3大原因と今すぐできる対策」で、全体像をチェックしてみるのがおすすめです。

今回も「敏感肌」というキーワードが出ましたが、「私はアトピー肌かも…」という方や、もっと深く「縫製(ぬいめ)」や「天然素材」の選び方を知りたい場合は、「敏感肌・アトピー肌のためのナイトブラ選び|肌に優しい天然素材と縫製の見極め方」が参考になると思います。

また、化学繊維の「蒸れ」の話がありましたが、特に汗をかく季節は「あせも」や「ニキビ」も心配ですよね。

夏場の通気性に特化した選び方は、「夏のナイトブラは蒸れやすい!あせもやニキビを防ぐための通気性と選び方」で詳しく解説しています。

そして、意外と見落としがちなのが「お洗濯」。

せっかく肌に優しいブラを選んでも、洗い方が原因で肌荒れすることも…。

ナイトブラの正しい洗濯方法|肌荒れを防ぐための洗剤選びと干し方のコツ」で、一度、ご自身の洗濯方法を見直してみるのも良いかもしれませんね。