ナイトブラは血行不良になる?肩こりや冷えを引き起こすメカニズムと対策

ナイトブラの不安解消ガイド

「寝ている間もバストケアしたい!」そんな思いから、ナイトブラを使い始めた方、あるいはこれから使ってみようかな、と検討している方、とても多いですよね。

バストを適切な位置でサポートしてくれる、心強いアイテムだと思います。

ですがその一方で、「ナイトブラって、なんだか締め付けが苦しそう…」

「逆に血行不良になって、肩こりや冷えの原因になるんじゃないの?」

そんな不安なウワサや疑問を耳にして、ちょっと心配になっていませんか。

せっかく「キレイのため」に始めた(始めようとしている)ことが、もし体に不調をきたす原因になってしまったら…それって、とても悲しいですし、元も子もないですよね。

ご安心ください。

その不調や不安は、もしかするとナイトブラそのものではなく、「選び方」や「使い方」が、ご自身の体に合っていないだけ、という可能性がとても高いんです。

ここでは、ナイトブラと血行不良の気になる関係性や、不調を引き起こすと言われるメカニズム、そして最も大切な「血行を妨げないための賢い選び方」や「今日からできる対策」について、詳しくご紹介していきます。

あなたの不安をスッキリ解消して、快適な睡眠とバストケアを両立させるヒントを、ぜひ見つけていってくださいね。

※この記事は、ナイトブラの使用に関する一般的な情報提供のみを目的としており、医学的なアドバイスや診断に代わるものではありません。
肩こり、冷え、むくみといった体の不調が続く場合や、着用に関して不安を感じる場合は、ご自身で判断なさらず、専門の医療機関や医師にご相談ください。

ナイトブラで不調?その原因、血行不良のサインかも

バストケアのためにナイトブラをつけ始めたのに、なんだか最近「肩がこる」「手足が冷えやすくなった」なんて感じていませんか。

もしかしたら、その不調はナイトブラの選び方や使い方によって引き起こされている「血行不良」のサインかもしれませんね。

もちろん、体の不調の原因はさまざまですが、もしナイトブラを使い始めたタイミングと不調を感じる時期が重なるなら、一度立ち止まって考えてみる価値はありそうです。

ナイトブラは、正しく使えばバストケアの心強い味方になってくれるはずです。

ここでは、ナイトブラがどのようにして体の不調、特に血行不良に関わる可能性があるのか、そのメカニズムや考えられる原因について、一緒に見ていきましょう。

ご自身の使い方と照らし合わせながら、チェックしてみてくださいね。

もしかして…その肩こりや冷え、ナイトブラが原因?

「バストの形をきれいに保ちたい」そんな思いで始めたナイトブラが、もし逆につらい肩こりや冷えの原因になっているとしたら、ちょっとショックですよね。

「朝、目が覚めると肩周りが重たい感じがする」。

「以前よりも手足の先が冷たい気がする」。

「寝ているはずなのに、なんとなく腕がだるい」。

こんな風に感じることはありませんか。

こうした不調は、もしかすると睡眠中に無意識のうちに血流が妨げられることで起きている可能性が考えられます。

もちろん、お仕事での姿勢やストレス、運動不足など、肩こりや冷えの原因は日常生活のあらゆるところに潜んでいます。

ですから、すべての不調がナイトブラのせいだ、と決めつけるのは早いかもしれません。

ただ、もし「そういえば、ナイトブラを使い始めてからかも…」と心当たりがあるのなら、一度、今使っているナイトブラが本当に自分に合っているのか、見直してみる良い機会だと思いますよ。

なぜ締め付けすぎはNG?ナイトブラと血行不良のメカニズム

ナイトブラの本来の目的は、寝ている間に重力などで流れてしまいがちなバストを、「適度な力で」支えて、正しい位置に安定させることです。

決して、バストを「強力に締め付ける」ためのものではないんですね。

ところが、「もっと効果が欲しい」「しっかりホールドしなきゃ」という思いから、つい小さめやきつめのサイズを選んでしまうと、どうなるでしょうか。

体は睡眠中、約6時間から8時間ものあいだ、ずっと強く圧迫され続けることになります。

一般的に、私たちの体は、外部から強く圧迫されると、その部分の血管が細くなって血液の流れが滞りやすくなると言われています。

これが「血行不良」の状態ですね。

特に、バスト周り、特に脇の下(腋窩)や肩甲骨のあたりには、体にとって大切な血管やリンパ節が集まっているとされています。

このデリケートな部分がナイトブラによって過度に圧迫されてしまうと、肩や腕への血流がスムーズにいかなくなり、結果として「肩こり」や「腕のだるさ」として感じられることがあるようです。

さらに、全身の血の巡りが悪くなれば、「冷え」や「むくみ」といった他の不調にもつながっていく可能性も考えられますね。

サイズが合っていない?ナイトブラ選びでよくある落とし穴

ナイトブラによる圧迫や血行不良は、「サイズが合っていない」ことが原因で起きているケースがとても多いように感じます。

よくある落とし穴としては、「効果を早く実感したいから」と、あえてワンサイズ小さいものを選んでしまうパターンです。

これは、先ほどお話しした「締め付けすぎ」に直結してしまいますね。

逆に、「リラックスしたいから」と大きすぎるサイズを選ぶのも、実はあまり良くないようです。

サイズが大きいと、寝返りをうった時などにナイトブラがズレてしまい、アンダーバスト部分が胸の上に乗り上げて変な場所を圧迫したり、ストラップが肩に変に食い込んだりすることがあります。

また、洋服を選ぶ感覚で「いつもMサイズだから」と安易に選ぶのも注意が必要です。

ナイトブラのサイズ表記(S/M/Lなど)は、メーカーによって基準がバラバラです。

A社ではMサイズでも、B社ではLサイズが適正、ということも珍しくありません。

体重の増減や、時期によるホルモンバランスの影響で、バストサイズは意外と変わりやすいものです。

「半年前に測ったから大丈夫」と思っていても、今現在の自分には合わなくなっている可能性もあります。

こうした「落とし穴」にはまってしまうと、意図せず血行不良のリスクを高めてしまうことになるかもしれませんね。

睡眠中の体はデリケート。圧迫が睡眠の質に与える影響

私たちは、睡眠中に日中の活動で疲れた心と体を回復させています。

深くリラックスすることで、体の隅々まで血液や栄養が巡り、明日への活力をチャージしているわけです。

しかし、体に合わないナイトブラによる圧迫感や、「なんだか苦しいな」という不快感を睡眠中に感じていると、体はなかなかリラックスモードに入れないとされています。

人間の体は、リラックスしている時(副交感神経が優位)に血管が広がりやすく、緊張・ストレス状態(交感神経が優位)にあると血管が収縮しやすいと言われています。

窮屈なナイトブラが「ストレス」となってしまうと、寝ている間も体が緊張状態から抜け出せず、血行が滞りやすくなる可能性も考えられます。

その結果、寝つきが悪くなったり、夜中に何度も目が覚めてしまったり、朝起きても「ぐっすり眠れた!」という満足感が得られなかったり…といった、「睡眠の質」そのものの低下につながることもあります。

睡眠の質が悪いと、疲労が回復しにくいだけでなく、血行も悪化しやすくなるため、「肩こり」や「冷え」をさらに助長してしまうという、あまり嬉しくない悪循環に陥ってしまうかもしれませんね。

素材も関係ある?通気性や肌触りが血行に与える影響

サイズや締め付け感に加えて、意外と見落としがちなのがナイトブラの「素材」です。

一晩中、肌に直接触れ続けるものですから、素材が体に与える影響も無視できません。

例えば、デザイン性を重視したナイロンやポリエステルなどの化学繊維を使ったナイトブラ。

これらは、通気性や吸湿性が低い場合があり、睡眠中に私たちがかく汗によってムレやすいという側面があります。

人間は寝ている間にコップ一杯分の汗をかく、とも言われていますよね。

その汗がうまく発散されずにムレて、そして冷えると(いわゆる汗冷え)、体の表面温度が下がり、それが「冷え」の原因となる可能性があります。

また、レースの装飾がチクチクしたり、生地自体がゴワゴワしたりするなど、「肌触り」の悪さがストレスになることもあります。

この「かゆい」「不快だ」という感覚は、睡眠中であっても無意識のストレスとなります。

先ほどもお話ししたように、ストレスは体を緊張させ、血管を収縮させる(血行を悪くする)一因になるとされています。

ですから、肌に優しいコットン(綿)やシルク(絹)など、通気性・吸湿性に優れた肌触りの良い素材を選ぶことも、巡り巡って血行を妨げないための大切な工夫の一つだと言えそうですね。

血行不良が引き起こす主な体のサイン

前の章では、サイズが合わないナイトブラが、もしかすると「血行不良」を引き起こしているかもしれない、というお話をしました。

でも、「血行不良」と言われても、血液の流れは目に見えるものではないので、いまいちピンとこない、という方も多いかもしれませんね。

実は、私たちの体は、血の巡りが悪くなっている時に、いろいろな形で「サイン」を出してくれていることがあるんです。

ここでは、血行不良によって引き起こされる可能性がある、代表的な体のサインについて、いくつか具体的に見ていきたいと思います。

「あ、これ私にも当てはまるかも…」と感じるものがないか、ぜひご自身の体調と比べながらチェックしてみてくださいね。

サイン1:つらい「肩こり」と血流の密接な関係

多くの人を悩ませる「肩こり」ですが、これも血行不良と非常に密接な関係があるとされています。

一般的に、肩こりは、デスクワークやスマートフォンの使いすぎなどで同じ姿勢が続くことにより、肩周りの筋肉が緊張して硬くなってしまうことが主な原因の一つと言われていますね。

筋肉がカチカチに硬くなると、その中を通っている血管が圧迫されて、ギュッと細くなってしまうんです。

そうなると、当然、血液の流れは悪くなります。

血流が滞ると、筋肉に必要な酸素や栄養素が十分に行き渡らなくなります。

それと同時に、筋肉を使うことで発生した疲労物質(老廃物など)を運び出す力も弱まってしまいます。

この、酸素不足&老廃物が溜まった状態が、私たちが「こり」や「重さ」「だるさ」として感じているものの正体の一つだと考えられているんですね。

もし、体に合わないきついナイトブラを寝ている間ずっとつけていると、ただでさえ日中こり固まった肩周りや背中の血流を、さらに妨げてしまうことになりかねません。

「朝起きた時が一番肩が重い」という方は、睡眠中の血行不良が、そのつらい肩こりを悪化させている可能性も考えてみたほうが良いかもしれません。

サイン2:手足が冷える「冷え性」は血行のバロメーター

「夏でも手足が冷たい」「お風呂に入ってもすぐに冷えてしまう」。

こうした「冷え」も、血行不良が原因で起こる代表的なサインの一つと言われています。

私たちの体温が保たれているのは、血液が体中を巡りながら、熱を全身に運んでくれているおかげなんですね。

心臓から送り出された温かい血液が、体の隅々まで行き渡ることで、私たちは活動できています。

しかし、何らかの理由で血行が悪くなってしまうと、温かい血液が体の末端、つまり手先や足先にまで十分に届きにくくなってしまいます。

これが、「冷え」として感じられるわけです。

ナイトブラによる胸部や背中、脇の下への圧迫が強すぎると、それが全身の血流に影響を与え、特に心臓から一番遠い手足への血流を滞らせてしまう、という可能性も考えられなくはありません。

もちろん、冷えの原因は運動不足や食生活、ホルモンバランスなど様々です。

ただ、「ナイトブラを使い始めてから、なんだか寝る時に靴下が手放せなくなった」とか、「以前より手足の冷えを感じるようになった」という場合は、ナイトブラの締め付けが巡りを悪くしているサインかもしれませんね。

サイン3:朝起きると感じる「むくみ」も血行不良が原因?

「朝起きると、顔や手がパンパンにむくんでいることがある」。

この「むくみ(浮腫)」も、血行と深く関係しているとされています。

むくみの直接的な原因は、皮膚の下の組織に、余分な水分(体液や老廃物)が溜まってしまうことです。

私たちの体では、血液が動脈を通って細胞に酸素や栄養を届けた後、静脈やリンパ管が、細胞から出た老廃物や余分な水分を回収して、心臓に戻すという循環が常に行われています。

しかし、血行不良、特に静脈の流れが滞ると、この「水分の回収」がスムーズにいかなくなってしまいます。

さらに、血流と密接に関係している「リンパの流れ」も重要です。

リンパ管は、老廃物や余分な水分を運ぶ「下水道」のような役割を担っていると言われています。

ナイトブラで脇の下(ここには腋窩リンパ節という大きなリンパの関所のような場所があるとされています)を強く圧迫し続けると、このリンパの流れまで妨げてしまう可能性があります。

血流もリンパの流れも悪くなれば、回収しきれなかった水分が溜まりやすくなり、それが朝の「むくみ」として現れる、ということも考えられるわけですね。

サイン4:寝苦しい・疲れが取れない…睡眠の質と血行

前の章でも少し触れましたが、「睡眠の質」そのものも、血行の状態を知るためのバロメーターになります。

「なんだか寝苦しい」「ぐっすり眠れた気がしない」「寝ても疲れが取れない」。

こうした感覚も、血行不良のサインである可能性があります。

本来、睡眠中は、心身ともにリラックスした状態(副交感神経が優位な状態)になるはずです。

このリラックス状態の時、私たちの血管はフワッと広がり、血流が良くなることで、日中の活動で傷ついた細胞の修復や、疲労物質の除去が効率よく行われる、とされています。

しかし、体に合わないナイトブラによる「苦しい」「不快だ」という感覚が少しでもあると、体は無意識にストレスを感じ、緊張状態(交感神経が優位な状態)になってしまうかもしれません。

体が緊張すると、血管はキュッと収縮しやすく、血行は悪くなりがちだと言われています。

つまり、「寝苦しい」と感じている時は、体がリラックスできておらず、血行も悪くなっているサインかもしれないのです。

そして、血行が悪いまま浅い眠りを続けてしまうと、疲労物質も十分に排出されず、結果として「しっかり寝たはずなのに、朝から疲れている」という状態につながってしまう、という悪循環も考えられますね。

血行不良を放置するとどうなる?知っておきたいリスク

ここまで、肩こり、冷え、むくみ、睡眠の質の低下といったサインを見てきました。

これらは、体が「ちょっと巡りが悪いよ」「圧迫されて苦しいよ」と、私たちに教えてくれている大切な合図だと思うんです。

もし、こうしたサインを「いつものことだから」と見過ごして、血行不良の状態が日常的に続いてしまうと、どうなるでしょうか。

一般的に、血行不良は「基礎代謝の低下」につながると言われています。

血液が全身の細胞に酸素や栄養を届けているわけですから、その流れが滞れば、細胞の活動(新陳代謝)も鈍くなってしまう、という考え方ですね。

基礎代謝が低下すると、例えば、消費されるエネルギーが減って「太りやすく」なったり、肌のターンオーバー(生まれ変わり)が乱れて「肌荒れやくすみ」が気になったり、といった美容面での影響が出てくる可能性も考えられます。

また、血流は体温を維持したり、体内に侵入したウイルスなどと戦う免疫細胞を運んだりする役割も担っているとされています。

そのため、血行が悪い状態が続くと、体が冷えやすくなるだけでなく、「なんだか体調を崩しやすくなった」と感じることもあるかもしれません。

もちろん、これはあくまで一般的な話であり、ナイトブラが直接的に病気を引き起こすということではありません。

ただ、今感じている不調を悪化させないためにも、「もしかして?」と思ったら、早めに原因(ナイトブラ)を見直してみることが大切ですね。

血行を妨げない!ナイトブラの賢い選び方 5つのポイント

前の章までで、体に合わないナイトブラが血行不良を招き、つらい肩こりや冷え、むくみといった不調のサインとして現れる可能性がある、というお話をしてきました。

「じゃあ、ナイトブラを使うのって、ちょっと怖いかも…」なんて不安に思われたかもしれませんね。

でも、ご安心ください。

こうした問題の多くは、ナイトブラの「選び方」を間違えなければ、防げる可能性がとても高いんです。

むしろ、自分に本当に合ったものを見つけられれば、快適な睡眠とバストケアの、心強い味方になってくれるはずです。

ここでは、血行を妨げるリスクをできるだけ減らして、快適に過ごすための「ナイトブラの賢い選び方」を、5つの大切なポイントに絞って詳しくご紹介していきますね。

これから購入を考えている方も、今お使いのものを見直したい方も、ぜひこの「判断基準」を参考にしてみてください。

ポイント1:最重要!「正しいサイズ」の測り方と選び方

5つのポイントの中で、私が「最も重要です!」と声を大にしてお伝えしたいのが、この「正しいサイズ選び」です。

本当に、これに尽きると言ってもいいかもしれません。

締め付けすぎによる血行不良も、逆にゆるすぎてバストがサポートされず不快に感じるのも、その原因の多くは「サイズが合っていない」ことから始まっているとされているんです。

「いやいや、自分のサイズくらい、ちゃんとわかってるよ」と思われるかもしれません。

ですが、体重の増減がなくても、年齢やホルモンバランスでバストの大きさや柔らかさは変化すると言われています。

もしかしたら、半年前のサイズは、もう今のあなたには合っていない可能性もあります。

それに、「なんとなく」で覚えていたサイズが、実は正しく測ったものではなかった、ということも…。

ですから、この機会に、ぜひもう一度、メジャーを手に取って測り直してみてほしいんです。

アンダーバストとトップバストの正しい計測方法

まず、ご用意いただくのは、手芸用などの柔らかいメジャーです。

測るタイミングは、体がリラックスしている時が良いですね。

食事の直後や、お風呂上がりで血行が良くなりすぎている時は、少し数値が変わることもあるようなので、避けた方が無難かもしれません。

まず「トップバスト」ですが、これはバストの一番高い部分(乳頭の位置)に合わせて、メジャーが床と平行になるように背中に回します。

鏡を横から見て、メジャーが斜めになっていないか確認するのがおすすめです。

この時、メジャーでバストを潰さないように、ふんわりと測るのがコツですね。

次に「アンダーバスト」です。

こちらは、バストのふくらみのすぐ下の付け根部分を、同じく平行に測ります。

アンダーは、息をフッと吐いた状態で、メジャーがズレ落ちない程度に、ややピッタリと肌に密着させて測るのが一般的です。

かといって、締め付けすぎはダメですよ。

この「トップ」と「アンダー」の数値が、あなたの今のサイズを知るための基本になります。

S/M/L表記やメーカーごとのサイズ表を見る際の注意点

正しいサイズが測れたら、次はいよいよ商品選びです。

ここで、絶対にやってはいけないのが、「普段、洋服はMサイズだから、ナイトブラもMでいいや」という選び方です。

これは本当に、失敗の元なんです。

なぜなら、ナイトブラのサイズ表記(S、M、L、あるいはS/M、M/Lなど)の基準は、メーカーによって驚くほどバラバラだからです。

A社ではMサイズが「アンダー65~75cm」でも、B社ではMサイズが「アンダー70~80cm」ということも普通にあります。

ですから、購入を検討している商品を見つけたら、必ず、そのメーカー(その商品)専用の「サイズ対応表」を確認してください。

そして、先ほどご自身で測った「トップ」と「アンダー」の数値を、その表としっかり照らし合わせます。

よくあるのが、測った数値がMとLのちょうど「境目」になってしまうケースです。

これは悩みますよね…。

あくまで一般的な傾向ですが、血行不良を避けて「快適さ」を優先するなら、ゆったりめの大きい方(この場合Lサイズ)を選ぶ方が安心なことが多いようです。

ただ、商品によっては「迷ったら小さめを推奨」と書かれている場合もあるので、商品説明やQ&Aもしっかり読むことが大切ですね。

ポイント2:締め付けすぎない「適度なホールド力」の見極め方

ナイトブラに求められているのは、バストをガチガチに固める「圧迫」ではなく、寝ている間の体の動きに合わせてバストが流れないように支える「適切なサポート(ホールド力)」です。

「きつければきついほど、バストアップ効果があるはず!」という誤解が、血行不良を招く最大の原因になってしまうんです。

「適度なホールド力」を見極めるのは難しいですが、もし店頭で試着ができるなら、ぜひチェックしてほしいポイントがあります。

着けてみた状態で、まずアンダーバストの部分に、指が1~2本スッと入るくらいの余裕があるか。

そのまま深呼吸をしてみて、息苦しさを感じないか。

腕をぐるぐる回してみて、脇や肩にくい込んだり、アンダーがズレ上がったりしないか。

こういった点を確認してみてください。

ネット通販などで試着ができない場合は、購入後に初めて着けた時の「第一印象」がすごく大事です。

「あ、ちょっと苦しいかも…」と少しでも感じたら、それは体が緊張しているサインです。

「我慢して着ていれば、そのうち慣れるかも」は、血行不良のリスクを高めるだけかもしれません。

理想は、「着けていることを忘れる」とまではいかなくても、「ああ、程よく包まれて守られているな」という安心感が得られるものです。

レビューを参考にする時も、「ホールド力がすごい!」という言葉だけでなく、「でも苦しくない」「快適に眠れた」という言葉がセットになっているかをチェックしてみるのも、一つの手かもしれませんね。

ポイント3:肌に優しくムレにくい「素材」選び(コットン、シルクなど)

私たちは、寝ている間にコップ一杯分の汗をかく、とも言われています。

その汗がムレて、そして冷える「汗冷え」や、素材そのものが肌への刺激になる「肌ストレス」を防ぐためにも、素材選びはとても重要です。

代表的な素材のメリット・デメリットを少し整理してみましょう。

まずは「コットン(綿)」です。

メリットは、何といっても吸湿性が高く、肌触りが非常に優しいことです。

肌がデリケートな方や、アトピーなどで悩まれている方は、まずコットン100%や、肌に触れる面がコットンになっているタイプを試してみるのが良いと思います。

デメリットは、一度吸った汗が乾きにくいことです。

汗をすごくたくさんかく方だと、濡れた生地が肌に張り付いて、逆に体を冷やしてしまう可能性もあります。

次に「シルク(絹)」。

メリットは、吸湿性だけでなく、吸った湿気を外に逃がす「放湿性」にも優れている点です。

ムレにくく、肌触りも滑らかで、人間の肌に近い成分とも言われているので、肌への負担は少ない素材ですね。

デメリットは、やはり価格がお高めなことと、洗濯などのお手入れが少しデリケートなことでしょうか。

そして「化学繊維(ポリエステル、ナイロン、レーヨンなど)」。

メリットは、耐久性があって丈夫なこと、そして乾きやすい(速乾性)ことです。

伸縮性やサポート力といった「機能性」を出すために、これらの素材が使われていることも多いですね。

デメリットは、素材によっては通気性が悪くてムレやすかったり、静電気が起きやすかったり、人によっては肌の刺激になることもあります。

ご自身の肌質や、汗のかきやすさを考えて、「肌触り優先ならコットン」「快適さ優先ならシルク」「機能性やお手入れのしやすさなら化繊や混紡」といったように、優先順位をつけて選んでみてくださいね。

ポイント4:睡眠の邪魔をしない「ノンワイヤー・シームレス」設計

これはもう、ナイトブラを選ぶ上での「大前提」と言ってもいいかもしれません。

まず、ワイヤー入りのものは、夜寝る時には適していません。

ワイヤーは、日中に重力に対抗してバストを立体的に美しく見せるためのものです。

横になっている睡眠中にワイヤー入りのブラを着けていると、そのワイヤーが肋骨やバストの一部を「点」や「線」で圧迫し続けることになります。

これは血行を妨げる非常に大きな原因になり得るので、ナイトブラは必ず「ノンワイヤー」のものを選びましょう。

そして、もう一つ見落としがちなのが、「縫い目(シーム)」や「タグ」です。

寝ている時は、日中よりも肌がデリケートになっているとも言われています。

生地の分厚い縫い目や、硬いレースの端っこ、洗濯表示のチクチクするタグなどが肌に当たり続けると、かゆみや不快感の原因になりますよね。

この「ちょっとした不快感」が、実は睡眠の質を下げ、体を無意識に緊張させるストレス源になるとも言われています。

体が緊張すれば、血行も滞りやすくなります。

ですから、できるだけ生地の縫い目がない「シームレス(無縫製)」タイプのものや、タグが生地に直接印刷されている「タグレス」のもの、縫い目が肌に当たらないように工夫されている「フラット設計」のものを選ぶのが、快適な睡眠のためにはおすすめですよ。

ポイント5:形状にも注目!脇高設計やストラップの幅が体に合うか

サイズ、素材、ノンワイヤーといった基本を押さえたら、最後にチェックしたいのが「形状」です。

人によって、バストの形や位置、体型は違いますから、サイズが合っていても、その「形」が自分の体にフィットしていないと、結局どこかに無理が生じてしまうことがあります。

特にチェックしたいのが、「脇の設計」と「ストラップ(肩ひも)」です。

多くのナイトブラは、寝ている間にバストが脇に流れるのを防ぐために、脇の部分が高めに設計されている「脇高設計」を採用しています。

これはバストをサポートするために大切な機能なんですが、問題は、その脇高の部分が、腕の付け根や「脇の下」に強く食い込んでいないか、ということです。

脇の下は、大切な血管やリンパ節が集まっていると言われているデリケートな場所です。

ここを硬い生地で圧迫してしまうと、まさに血行やリンパの流れを阻害する原因になりかねません。

脇を「圧迫」するのではなく、「優しく包み込んでカバー」してくれるような、柔らかさやカッティングになっているかを確認したいですね。

もう一つは「ストラップ(肩ひも)」です。

ストラップが細いデザインだと、バストの重みが肩の狭い範囲に集中してしまい、それが「肩こり」の原因になることがあります。

特にバストが大きめの方や、もともと肩こりに悩みやすい方は、できるだけ「幅広のストラップ」になっているものや、タンクトップ型のデザインを選ぶと、肩への負担が分散されて楽に感じることが多いようです。

ご自身の体型や悩みに合わせて、こうした「形状」にも注目してみてくださいね。

今日からできる!ナイトブラ着用時の血行対策

前の章では、血行不良を防ぐための「ナイトブラの賢い選び方」を5つのポイントに分けてご紹介しました。

自分にピッタリの一枚を見つけることが、快適なナイトブラ生活の第一歩ですね。

しかし、どんなに体に合ったナイトブラを選んだとしても、その「使い方」を間違えてしまったり、そもそも体自体の血行が悪かったりすると、不調のリスクをゼロにするのは難しいかもしれません。

そこでここでは、ナイトブラの選び方と合わせて実践していただきたい、「着用時の注意点」や、血行を良くするために「日常生活でできる簡単なセルフケア」についてご紹介します。

どれも今日からすぐにできることばかりですので、ぜひ取り入れてみてくださいね。

毎日つけるべき?ナイトブラの「着用時間」の目安

「ナイトブラって、効果を出すためには毎日絶対につけないとダメなの?」あるいは「24時間つけっぱなしの方が効果あるんじゃない?」こんな疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。

まず基本的な考え方として、ナイトブラは、その名の通り「夜(Night)」、つまり「睡眠中」のバストをサポートするために設計されているものがほとんどです。

もし、日中もそのまま24時間つけっぱなしにしてしまうと、体が適度な圧迫とはいえ、長時間圧迫され続けることになります。

これは、やはり血行不良やリンパの流れを妨げるリスクを高めてしまう可能性があると言われています。

また、ずっと肌に密着したままだと、汗や皮脂、摩擦などでムレやすく、かゆみや湿疹といった肌トラブルの原因にもなりかねません。

お肌にも「休息時間」が必要なんですね。

ですから、基本的には「お風呂上がりから、朝起きて着替えるまで」といったように、睡眠時間をメインの着用時間とするのが良いと思います。

それから、「毎日つけるべきか」という点ですが、バストケアの習慣としては毎日つけることが推奨されることが多いようです。

ただ、例えば「今日は風邪気味で体調が悪い」「生理痛が重くて、締め付けがいつもより不快に感じる」といった日もあると思います。

そんな時は、無理をしないことが一番です。

体調が優れない日に無理して着用して、血行を悪化させてしまっては本末転倒ですよね。

時には「お休みする」という選択も、ご自身の体を守るための大切な対策の一つですよ。

つけっぱなしはNG?日中と夜のブラは使い分けるべき理由

先ほどの「着用時間」とも関連しますが、「24時間つけっぱなしはNG?」という点については、私は「おすすめできません」とお答えしたいです。

理由は、やはり血行不良や肌トラブルのリスクが高まるからです。

そしてもう一つ、そもそも「日中用のブラ」と「夜用のブラ(ナイトブラ)」は、作られた「目的」と「設計」が全く違う、という大きな理由があります。

日中用のブラは、私たちが起き上がって活動している時の「縦方向の重力」や「揺れ」からバストを守り、服を着た時にバストラインを美しく見せるために作られています。

そのため、ワイヤーが入っていたり、補正力が強かったりするものが多いですよね。

一方、ナイトブラは、私たちが寝ている時(仰向けや横向き)の「あらゆる方向への重力」で、バストが脇や背中に流れてしまうのを防ぐために作られています。

同時に、睡眠を妨げないように、ノンワイヤーで伸縮性が高く、リラックスできる着け心地が重視されています。

こんな風に、役割がまったく違うんです。

もし日中用のワイヤー入りブラを夜もそのまま着けて寝てしまったら…もうお分かりですよね。

ワイヤーが体を強く圧迫し、血行不良の大きな原因になると言われています。

逆に、リラックス重視のナイトブラを日中につけていると、歩いたり走ったりする時の「揺れ」に対してサポート力が足りず、バストを支えるクーパー靭帯に負担がかかってしまう可能性も指摘されています。

ちょっと面倒に感じるかもしれませんが、血行対策のためにも、大切なバストケアのためにも、「日中は日中用」「夜は夜用」と、きちんと使い分けることが大切ですね。

買い替え時はいつ?「ナイトブラの寿命」と劣化による体への影響

ナイトブラの「寿命」、つまり「買い替え時」も、実は血行不良と関係してくる、見落としがちなポイントです。

ナイトブラは、残念ながら永遠に使えるものではなく、消耗品です。

特に、伸縮性を出すために使われているポリウレタンといった素材は、毎日の着用や洗濯によって、必ず劣化していきます。

劣化のパターンは主に2つです。

一つは、生地やゴムが「伸びて」しまい、サポート力が失われるパターンです。

これでは、本来のバストケア効果が期待できないだけでなく、寝ている間にブラがズレてしまい、アンダー部分が胸の上に乗り上げるなど、変な場所を圧迫してしまう可能性もあります。

もう一つは、生地が洗濯で「縮んだり、硬くなったり」するパターンです。

買った時はちょうど良いサイズだったのに、生地の伸縮性が失われて硬くなることで、新品の時よりも「締め付け」が強くなってしまう…。

これは、まさに血行不良の直接的な原因になり得ますよね。

ナイトブラの寿命は、メーカーの推奨や使用頻度、洗い方によっても異なりますが、一般的な目安としては「100回程度の着用(洗濯)」や「使い始めてから3ヶ月~半年程度」と言われることが多いようです。

「生地がなんだか薄くなってきた」「ゴムの部分が波打ってきた」「ホールド感が減った気がする」「最近、着る時になんだかきつく感じる」…

こんな買い替えのサインを感じたら、それはもう寿命かもしれません。

古いものを「もったいないから」と我慢して使い続けることが、かえって体の不調を引き起こす原因になっていないか、一度チェックしてみてくださいね。

寝る前の簡単ストレッチで血行促進

さて、ここまではナイトブラ自体の選び方や使い方という「外側」からの対策でした。

ここからは、ご自身の体の「内側」から血行を良くしていくための、簡単なセルフケアをご紹介します。

特におすすめなのが、「寝る前の簡単ストレッチ」です。

日中のデスクワークや家事などで、私たちの肩や背中、胸の筋肉は、知らず知らずのうちに凝り固まってしまっています。

筋肉が硬いと、それだけで血行は悪くなりがちです。

寝る前に、こうした固まった筋肉をゆっくりとほぐしてあげることで、血流が良くなり、体がお休みモード(副交感神経が優位)に切り替わりやすくなると言われています。

リラックスして眠れれば、睡眠の質も上がりますし、血行も良くなる、という良い循環が期待できますね。

難しいことはしなくて大丈夫です。

例えば、両肩をギューッと耳に近づけて数秒キープし、ストンと力を抜く、という動作を数回繰り返す。

両手を前で組んで、背中を丸めながら腕を遠くに伸ばし、肩甲骨の間を広げる。

今度は両手を後ろで組んで、ゆっくり胸を開き、肩甲骨を寄せる。

片手を上げて、ゆっくりと体を横に倒し、脇腹(ナイトブラの脇高設計が当たるあたり)を伸ばす。

こうした「痛いけど気持ちいい」と感じる程度のストレッチを、深い呼吸をしながら数分間行うだけでも、ずいぶん違うと思いますよ。

体を内側から温める「入浴習慣」も大切

もう一つ、血行対策の王道とも言えるのが、「体を内側からしっかり温める」ことです。

そのために一番効果的だとされているのが、やはり「入浴」、つまり湯船に浸かる習慣ですね。

忙しいと、ついシャワーだけで済ませてしまいがちですが、シャワーだけでは体の表面しか温まらず、体の芯(深部)の血流を良くするところまでは、なかなかいかないと言われています。

湯船にゆっくり浸かると、まず「温熱効果」で血管が広がり、全身の血の巡りが良くなります。

さらに、お湯の「水圧」が、体に程よい圧力をかけてくれるので、それがマッサージのようになり、血液やリンパの流れを促進してくれるとも言われていますね。

また、体が温まることで筋肉の緊張がほぐれ、心身ともにリラックス(副交感神経が優位)できるため、寝る前のストレッチと同様に、睡眠の質を高める効果も期待できます。

おすすめの入浴法としては、38度から40度くらいの「ちょっとぬるいかな?」と感じるくらいのお湯に、10分から15分程度、リラックスして浸かるのが良いとされているようです。

熱すぎるお湯は、逆に体を緊張させてしまうこともあるそうなので、ご注意くださいね。

お風呂から上がるのは、寝る1~2時間前くらいが、その後のスムーズな入眠にもつながりやすいと言われています。

ナイトブラによる圧迫の影響を最小限にするためにも、もともとの血流が良い状態を日々の習慣で作っておくこと、これも立派な対策の一つですね。

ナイトブラと血行に関するよくある質問(Q&A)

さて、ここまでナイトブラが血行不良や体の不調に関わるメカニズムから、そうならないための賢い選び方、そして今日からできる対策まで、かなり詳しく見てきました。

私の説明で、皆さんの疑問や不安は解消されたでしょうか。

もしかすると、記事を読んでいただく中で、「あ、でもこういう場合はどうなんだろう?」と、また新たな疑問が湧いてきたり、まだスッキリ解消しきれていない不安が残っていたりするかもしれませんね。

そこでこの章では、特に多くの方が共通して疑問に思いやすい点や、誤解されがちなポイントについて、「よくある質問」としてQ&A形式でまとめてお答えしていきたいと思います。

ご自身の疑問と重なるものがないか、ぜひ最後のチェックとして参考にしてみてください。

Q. 昼用のブラを夜につけてもいいですか?

これは、ナイトブラを使い始めるか迷っている方が、一度は考えることかもしれませんね。

これまでの章でも少し触れてきましたが、私の結論としては「血行不良のリスクを高めてしまう可能性があるので、おすすめできません」とお答えしたいです。

なぜなら、繰り返しになりますが、昼用のブラは「起きている姿勢」を前提に、バストを重力や揺れから守り、洋服の上から美しく見せるために設計されているからです。

特に、バストを立体的に支えるための「ワイヤー」が入っているブラは、要注意です。

体を起こしている状態では体にキレイにフィットしていても、ひとたび横になると、その硬いワイヤーが肋骨や脇の下、バストの柔らかい部分を「点」や「線」で強く圧迫し続けることになってしまいます。

この圧迫こそが、寝ている間の血行やリンパの流れを妨げてしまう大きな原因の一つになると言われています。

「じゃあ、ワイヤーが入っていない、昼用のノンワイヤーブラなら良いの?」と思われるかもしれません。

ですが、昼用のノンワイヤーブラも、やはり日中の活動(歩く、腕を振るなど)を想定して、睡眠用のナイトブラよりもホールド力(=圧迫力)が強めに作られているものが多いようです。

睡眠中の体は、できるだけリラックスさせて、血流を妨げない状態が理想ですよね。

そう考えると、やはり昼用のブラを夜に使うのは、あまり適しているとは言いにくいかな、と思います。

快適な睡眠と、ご自身の体の巡りを守るためにも、少し面倒に感じても、夜は「睡眠専用」に設計されたナイトブラに着替える習慣をつけることを、私は強くおすすめします。

Q. ワイヤー入りナイトブラは血行に悪いですか?

「ナイトブラ」という名前で売られている商品の中にも、まれにですが、非常に柔らかい「ソフトワイヤー」や、樹脂製でできた「ソフトボーン」のようなパーツが脇やアンダーに入っている製品を見かけることがあります。

「これもナイトブラって書いてあるけど、大丈夫なの?」と迷われるお気持ち、とてもよくわかります。

これも、あくまで一般的な考え方としてですが、やはり「睡眠中」という特殊な状況下で、「ワイヤー」や「それに類する硬いパーツ」が体に当たり続けることは、ノンワイヤーのものに比べて「血行に悪影響を与える可能性が高い」と私は考えています。

理由は、寝ている間、私たちは無意識に何度も寝返りをうっているからです。

仰向け、横向き、うつ伏せに近い姿勢…と、体勢が変わるたびに、体の重みのかかり方も変わります。

その際に、硬いパーツが体の思わぬ部分(例えば脇の下など)にグッと食い込んでしまい、血管やリンパの流れを圧迫してしまうリスクは、ノンワイヤーのものより格段に高いと言えるのではないでしょうか。

そうした製品は、もしかすると「リラックスして眠る」ことよりも、「寝ている間もバストの形をしっかりキープしたい」という、より積極的なバストメイクのニーズに応えるために、あえて設計されているのかもしれません。

もし、皆さんがナイトブラに求める目的が、この記事のテーマである「血行不良を防ぎたい」「肩こりや冷えを対策したい」「とにかく快適に眠りたい」ということであれば、ワイヤーや硬いパーツが一切入っていない「完全ノンワイヤータイプ」を選ぶのが、一番安心で賢明な選択だと思いますよ。

Q. 苦しいけど我慢した方がバストアップ効果はありますか?

これは、ナイトブラに関する誤解の中でも、特に注意していただきたい「大きな誤解」の一つかもしれません。

結論から、はっきりとお伝えしますね。

「苦しいのを我慢しても、良いことは何もない」可能性が非常に高いです。

なぜなら、「苦しい」とご自身の体が感じている時点で、それは「サイズが合っていない」「圧迫が強すぎる」という、体からの明確なSOSサインだからです。

その悲鳴を無視して、「バストアップのためだから…」と我慢し続けてしまうと、どうなるでしょうか。

まさに、この記事でずっとお話ししてきた「血行不良」をご自身で積極的に招いているのと同じことになってしまいます。

その結果、期待するバストアップ効果どころか、つらい肩こり、手足の冷え、顔や腕のむくみ、そして睡眠の質の低下といった、まったく望んでいない不調を引き起こす原因になってしまうとさえ言われています。

そもそも、多くのナイトブラの主な目的は、バストそのものを「大きくする(育乳・豊胸)」ことではなく、寝ている間にバストが脇や背中に流れてしまうのを防ぎ、「現在のバストの形や位置を維持・サポートする」ことである、というのが一般的な認識です。

むしろ、バスト(乳腺)だって、私たちの体の他の部分と同じように、血液によって栄養素や女性ホルモンが運ばれて、その健康やハリが保たれていると言われています。

締め付けすぎて血行を悪くしてしまうことは、バストの健康や美容にとっても、プラスになるどころか、逆効果になってしまう可能性だって考えられるわけです。

「苦しい=効果がある」では、決してありません。

「苦しい=体に合っていない危険なサイン」と判断して、すぐにそのナイトブラの使用をやめるか、ご自身の体に合った適切なサイズのものに買い替えることを、強く強く推奨します。

Q. 複数枚をローテーションして使うメリットは?

「ナイトブラって、1枚だけじゃダメですか?洗い替えは必要ですか?」というご質問ですね。

はい、これはぜひ「複数枚(できれば3枚以上)を用意して、ローテーションして使うこと」をおすすめします。

メリットは大きく分けて2つあります。

まず一つ目のメリットは、一番わかりやすいですが「衛生的」であることです。

私たちは寝ている間に、冬場でも「コップ一杯分」ほどの汗をかくと言われています。

ナイトブラは一晩中、その汗や皮脂を吸い込んでいます。

それを洗濯せずに何日も連続で着け続けるのは、衛生的ではありませんよね。

ムレや雑菌の繁殖によって、かゆみ、あせも、湿疹、あるいは背中ニキビといった肌トラブルの原因にもなりかねません。

毎日洗濯した、清潔なものを着けるのが理想です。

そして二つ目の、とても大切なメリットが、前の章でも触れた「ナイトブラの寿命を延ばす」ことにつながる点です。

ナイトブラの伸縮性を支えているポリウレタンなどの素材は、とてもデリケートです。

1枚のブラを「着る→洗う→乾かす→着る…」と毎日毎日酷使してしまうと、その分、生地の伸びやゴムの劣化が早まってしまいます。

例えば3枚用意して、1日着たら洗濯し、残りの2日(つまり48時間)は生地をしっかり休ませる(乾かす時間も含めて)…というようにローテーションを組むと、1枚あたりの負担が単純に3分の1になります。

生地を休ませる時間を作ることで伸縮性が回復しやすくなり、結果として良い状態が長持ちすると言われています。

劣化した(伸びたり、逆に縮んだりした)ブラを使い続けることが、血行不良の原因になるのはお話しした通りです。

ローテーションで長持ちさせることは、巡り巡って、ご自身の血行不良を防ぐことにもつながる、とても賢い使い方なんですよ。

Q. 洗濯方法(洗い方・干し方)で締め付け感は変わりますか?

「洗濯の仕方で、着け心地が変わったりするの?」というご質問ですが、これは「はい、大いに変わる可能性があります!」とお答えしたいです。

ナイトブラは、私たちが思っている以上にデリケートな衣類です。

繊細なレースが使われていたり、なにより伸縮性を担う「ポリウレタン」という熱に非常に弱い素材が使われていたり、形を保つための柔らかいパッドが入っていたりします。

特にやってしまいがちなNGなお手入れが、Tシャツやタオルのような他の洗濯物と一緒に、洗濯機でガラガラと普通に洗ってしまうこと、そして、そのまま「乾燥機」にかけてしまうことです。

乾燥機の高温は、ナイトブラに使われているポリウレタン素材にとって、まさに天敵です。

熱によって素材が変質し、ギュッと「縮んで硬くなって」しまう最大の原因の一つと言われています。

新品の時よりも縮んで硬くなってしまえば、当然「締め付け感」は強くなりますよね。

これが血行不良の原因になってしまうことは、もうお分かりかと思います。

また、干す時も注意が必要です。

濡れたままの重い状態で、ストラップ部分だけを洗濯バサミでつまんで干したりすると、水の重みでストラップや生地全体がビローンと「伸びて」しまう原因になります。

伸びてしまえば、サポート力が失われ、寝ている間にズレて変な場所を圧迫する原因になりかねません。

メーカーの洗濯表示に従うのが大前提ですが、基本は「パッドを外して」「専用の洗濯ネットに入れ」「おしゃれ着洗い(手洗い・ドライ)コース」などの水流の弱いもので洗うか、時間に余裕があれば優しく「手洗い(押し洗い)」するのがベストです。

干す時は、形を整え、アンダー部分を(生地が伸びないように)複数の洗濯バサミで均等に留めて逆さまに干すか、風通しの良い場所で二つ折りにして竿にかけるなど、陰干しするのが良いとされています。

お手入れ一つで、着け心地(締め付け感)も寿命も全く変わってきますので、ぜひ大切に扱ってあげてくださいね。

【参考】人気ナイトブラに見る「血行を妨げない」工夫点

さて、前の章では「血行を妨げない!ナイトブラの賢い選び方 5つのポイント」として、サイズ、ホールド力、素材、設計、形状について詳しく解説してきました。

ですが、特にネット通販などで実物を見ずに選ぶ場合、「適度なホールド力って?」「肌に優しい設計って具体的にどういうの?」と、少しイメージしにくい部分もあったかもしれませんね。

そこでこの章では、あくまで参考として、一般的に人気があり、皆さんも一度は名前を聞いたことがあるかもしれないいくつかのナイトブラ(ブランド)が、私たちが重視してきた「血行を妨げないための工夫」、つまり「快適さ」や「圧迫感の少なさ」を、具体的にどのような設計で実現しようとしているのか、その「工夫点」に焦点を当ててご紹介したいと思います。

これは、どの商品が一番良い、という優劣を決めるものでは決してありません。

「なるほど、こういう工夫がされている商品があるんだな」という、「選び方のヒント」として、リラックスして読んでみてくださいね。

工夫点1:「伸縮素材」と「ノンホック」の追求(例:Viage ビューティーアップナイトブラなど)

「選び方のポイント」の2と4で、「締め付けすぎない適度なホールド力」と「ノンワイヤー・シームレス設計」が大切、というお話をしました。

これを追求している例として、例えば「Viage(ヴィアージュ)」のナイトブラなどが挙げられるかもしれません。

こういったタイプのナイトブラは、バストを支えるためのワイヤーや、背中や前で留める「ホック」を一切採用していない、非常にシンプルな設計になっていることが多いのが特徴です。

特定の箇所を「点」や「硬い線」で圧迫してしまう可能性のあるパーツ(ワイヤーやホック)を最初からなくしてしまうことで、私たちが寝ている間にゴロゴロと寝返りをうった時などに、それらが体に食い込んで血行を妨げるリスクを減らそう、という考え方ですね。

その代わりに、アンダーバストの部分も含めて、生地全体の高い「伸縮性」を利用して、体(バスト)にフィットさせ、いわば「面」で優しく包み込むようにサポートする設計が採用されています。

「バストケアのために適度なホールド力は欲しい、でもワイヤーの圧迫感や、ホックのボコボコした感じ、調節の面倒さはない方がいい」と考える方にとって、こうした「伸縮素材」と「ノンホック」を両立させているシンプルな設計は、選ぶ上での一つの参考になるのではないでしょうか。

工夫点2:「肌に優しい素材」へのこだわり(例:Wacoal ナイトアップブラ / 睡眠科学など)

「選び方のポイント」の3では、「肌に優しくムレにくい素材選び(コットン、シルクなど)」の重要性についてお話ししました。

特にこの「素材」にこだわっている例として、やはり下着メーカーとして長い歴史を持つ「Wacoal(ワコール)」が展開する製品群が挙げられます。

ワコールの「ナイトアップブラ」には、本当にたくさんの種類がありますが、その中でも、一晩中肌に触れるものだからこそ、「肌触り」を重視して「綿混素材」をメインに使用したものが見られます。

さらに一歩進んで、ワコールが「眠り」そのものを科学しようとしている「睡眠科学」というブランドから出ているナイトブラなどには、「オーガニックコットン」を積極的に採用しているものもあるようです。

前の章でも触れましたが、化学繊維が肌に合わなくて感じるチクチク感やゴワゴワ感、あるいは汗を吸わずにムレて、それが冷える「汗冷え」は、睡眠中の無意識のストレスとなります。

その不快感が、知らず知らずのうちに体を緊張させ、血行を妨げ、睡眠の質を下げてしまう可能性も考えられます。

特に肌がデリケートでかゆみが出やすい方や、化学繊維の独特の肌触りやムレ感がどうも苦手だ、という方は、こうした「素材」そのものにこだわり、「リラックス」を追求している製品(ブランド)の考え方は、ナイトブラ選びの重要な判断基準になると思いますよ。

工夫点3:「縫い目」や「タグ」の刺激を減らす設計(例:sloggi ゼロフィール / GUNZE KIREILABOなど)

「選び方のポイント」の4では、「睡眠の邪魔をしないノンワイヤー・シームレス設計」として、縫い目やタグにも注目しましょう、というお話をしました。

この、「いかに肌への刺激(当たり)を減らすか」という点に、非常に注力している製品の例として、例えば「sloggi(スロギー)」の「ゼロフィール」シリーズや、「GUNZE(グンゼ)」の「KIREILABO(キレイラボ)」シリーズなどが挙げられるでしょう。

これらの製品群の中には、生地と生地を糸で縫い合わせるのではなく、特殊な技術で「接着」することで、縫い目を極力なくした「シームレス設計」を採用しているものが多く見られます。

また、素材そのものも工夫されていて、生地の端(アンダー部分や肩ひもなど)をあえて縫わずに「切りっぱなし(フリーカット)」にできる素材を使っているものもありますね。

さらに、多くの方が一度は不快に感じたことがあるかもしれない、あの「洗濯表示タグ」のチクチク感。

これを解消するために、タグそのものを廃止し、代わりに生地の裏側などに必要な情報を直接「プリント」してしまう「タグレス仕様」を採用している製品も増えています。(KIREILABOなどはその代表例かもしれません)

寝ている時は特に肌が敏感になって、ほんの少しの「チクチク」や「ゴワゴワ」が気になって眠れない…という方にとっては、こうした「縫い目」や「タグ」といった細部にまで徹底的に配慮された設計が、ストレスフリーな睡眠(=血行不良の防止)につながる、大きな決め手になるかもしれませんね。

まとめ:ナイトブラと上手に付き合い、血行不良を防ごう

ここでは、ナイトブラと血行不良の関係性、そして肩こりや冷えといった不調のサインについて、詳しく見てきました。

同時に、そうしたリスクを防ぐための「賢い選び方5つのポイント」や、「今日からできる血行対策」もご紹介しました。

大切なことなので繰り返しますが、ナイトブラそのものが体に悪いわけでは決してありません。

問題なのは、「ご自身の体に合っていないもの」を、「苦しいのを我慢して」着け続けてしまうことです。

この記事を参考に、ぜひ「正しいサイズ」と「適度なホールド力」を最優先に、ご自身にピッタリの一枚を見直してみてください。

ナイトブラと上手に付き合って、血行不良を防ぎ、快適な睡眠とバストケアを両立させていきましょうね。

あわせて読みたい|ナイトブラと体の巡りに関するお悩み解決ヒント

ここでは、ナイトブラと「血行不良」の関係性、特に「肩こり」や「冷え」に焦点を当てて詳しく見てきました。

ナイトブラによる体の巡りに関しては、血行だけでなく「リンパの流れ」も気になるところですよね。

もし「脇の下が圧迫されてるかも?」と感じる方は、ナイトブラがリンパの流れを妨げる可能性とセルフチェック方法についての記事も、ぜひ参考にしてみてください。

また、もしナイトブラを着け始めてから「頭痛」や「吐き気」といった、さらに深刻な不調を感じている場合は、少し注意が必要です。

ナイトブラ着用による頭痛や吐き気のサインが、血行不良とどう関係しているのかを解説した記事も、あわせてお読みいただくことをおすすめします。

今回の記事でご紹介した「選び方」や「対策」を、さらに一歩進めて知りたい方には、以下の記事も役立つはずです。

例えば、体を冷やさない素材や構造のポイント、血行を促進するナイトブラの選び方に特化した記事では、より具体的な商品選びのヒントが見つかるかもしれません。

そして、ナイトブラを着ける前や外した後にできるセルフケアもとても大切です。

血行を止めないための正しい着け方やマッサージなど、日々の着用前後にできるセルフケア習慣を取り入れて、より快適なナイトブラ生活を目指しましょう。